研究課題/領域番号 |
20K16020
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47040:薬理学関連
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研究機関 | 国立感染症研究所 |
研究代表者 |
加藤 文博 国立感染症研究所, ウイルス第三部, 主任研究官 (40740816)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | パラミクソウイルス / ムンプスウイルス / 脂肪酸合成経路 / CD437 / レチノイド受容体 / 複製後期過程 / 抗ウイルス薬 / スクリーニング / おたふくかぜウイルス |
研究開始時の研究の概要 |
パラミクソウイルスは麻疹ウイルス、ムンプスウイルス、パラインフルエンザウイルス等の社会的に大きな問題となっているウイルスを含む。新規抗パラミクソウイルス戦略開発のため、脂肪酸合成経路阻害剤で様々なウイルスに対して強力な抗ウイルス活性を示す、MK-8245が新規の抗パラミクソウイルス薬候補になりうるかを明らかにする。また、パラミクソウイルス複製と脂肪酸合成経路とのかかわりを明らかにし、新たな抗ウイルス薬ターゲットになりうるか明らかにする。さらに、薬理活性既知の化合物ライブラリーから新規抗パラミクソウイルス薬候補を得る。
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研究成果の概要 |
新規パラミクソウイルス薬開発のため、広くウイルス複製に関わるとされている脂肪酸合成経路に着目し、同経路の阻害剤であるMK-8245の抗パラミクソウイルス活性を評価した。ムンプスウイルスに対し、他のウイルスに比して阻害活性は低いことが明らかになった。緑色蛍光蛋白質発現ムンプスウイルスを用いた、化合物スクリーニングを行ったところ、レチノイド受容体アゴニストであるCD437が高い抗ウイルス活性を示すことが明らかになった。またCD437は、従来考えられている経路ではない機序で抗ウイルス活性を示し、作用点としてウイルス粒子形成糖の後期過程を阻害している化合物であることが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
広くウイルス複製に関わっているとされている脂肪酸合成経路は、パラミクソウイルスの一つであるムンプスウイルスに若干関与しているが、主たる因子ではないことが明らかになった。一方、高い抗ウイルス活性を示すCD437を見いだし、将来的な抗ウイルス薬候補として評価しただけではなく、従来考えられていた機序ではない新たなメカニズムの存在を明らかにした。また、抗ウイルス活性作用点として、複製後期過程にあることを明らかにした。こ本研究は、将来的な抗パラミクソウイルス戦略を推進するための新たな知見を供した。
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