研究課題/領域番号 |
20K16039
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47060:医療薬学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
荒川 大 金沢大学, 薬学系, 准教授 (40709028)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 血液脳関門 / 薬物トランスポーター / 脳移行性 / スクリーニング / OCTN2 / アリピプラゾール / トランスポーター / ノックアウト / sgRNAスクリーニング / 薬物脳移行 |
研究開始時の研究の概要 |
BBBには薬物を積極的に取り込む輸送体の存在が多く報告されており、その利用により効率的な薬物の脳内デリバリーが期待されるが、関与する輸送体分子の実体は同定されていない。本研究では、独自に構築したsgRNAライブラリーを用い、取り込みに働く輸送体タンパク質をスクリーニングすることで、BBB取り込み輸送体を同定する。また、同定した輸送体の薬物の脳移行への寄与をin vivo試験で明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究では、血液脳関門における薬物トランスポーターを同定することを目的とした。Kp,uu,brain値が1を超える薬物を文献調査から抽出し、これら薬物のhCMEC/D3細胞における温度依存的な取り込み試験を行い、トランスポーター介在輸送が期待される薬物を絞り込んだ。さらに、輸送体標的型siRNAライブラリーを用いたスクリーニング試験を行い、OCTN2がアリピプラゾールの脳移行に関与する取り込み輸送体であることが示された。推定された輸送体のみに検討を絞った従来の限定的な手法と比べ、本手法は未知の薬物輸送体を同定する手法として有用であることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
一部のカチオン性薬物の脳移行には、血液脳関門(BBB)に発現する取り込み型輸送体の関与が示唆されている。このようなBBB取り込み輸送体の同定により中枢疾患治療薬の研究開発を効率的に進めることができると期待される。未知のBBB輸送体を同定するには対象輸送体分子を限定しないより包括的なスクリーニングが有用である。推定された輸送体のみに検討を絞った従来の限定的な手法と比べ、本手法は未知の薬物輸送体を同定する手法として有用であることが示唆された。今後、BBBの薬物輸送体を同定することで、輸送体を利用した中枢疾患治療薬の開発への応用が期待される。
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