研究課題/領域番号 |
20K16061
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47060:医療薬学関連
|
研究機関 | 大阪大谷大学 |
研究代表者 |
浦嶋 庸子 大阪大谷大学, 薬学部, 講師 (90636309)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | カルバマゼピン / バルプロ酸 / レベチラセタム / 経腸栄養剤 / 吸収低下 / 相互作用 / 血中濃度 |
研究開始時の研究の概要 |
薬物と経腸栄養剤を併用した場合、治療効果の低下や中毒症状などの重篤な副作用が引き起こされることが知られているが、その発現機序はいまだ解明されていない。しかし、臨床および在宅医療における経腸栄養剤投与患者は増加傾向にあり、経腸栄養剤と薬物を併用する場合の適正な薬物投与指針の確立は緊急課題となっている。 そこで本研究では、ラット経口投与法を用いて、経腸栄養剤との併用による各薬物の血中濃度変化を評価すると共に、相互作用を回避するために必要な経腸栄養剤と薬物の投与間隔時間を決定する。また、Caco-2細胞による物質透過モデルを用いて、薬物の血中濃度変化を引き起こす経腸栄養剤中の要因を明らかにする。
|
研究成果の概要 |
カルバマゼピン(CBZ)、バルプロ酸(VPA)およびレベチラセタム(LEV)について、経腸栄養剤と同時にラットに投与した場合の血中薬物濃度の変化について検討した。CBZはエンシュア・リキッドにより消化管吸収が低下し、その要因は敬経腸栄養剤に含まれるカゼイン、消化後の大豆タンパクであることを明らかにした。VPAはリーナレンLPによって吸収が低下し、経腸栄養剤に含まれるデキストリン、および難消化性デキストリンが関与する可能性を見出した。LEVについては、本研究で用いたいずれの液状経腸栄養剤との併用においても影響をうけず、LEVは液状経腸栄養剤と安全に併用できることが明らかになった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究結果より、各抗てんかん薬と経腸栄養剤を併用する際に、注意するべき具体的な経腸栄養剤が明らかになった。したがって、血中薬物濃度に影響する経腸栄養剤を使用する場合には、経腸栄養剤の製品を変更するか、投与間隔を2時間あけるよう指導することが有効である。また、安全に使用できる薬物と経腸栄養剤の組み合わせも明らかになったことから、いたずらに煩雑な運用を行うことも避けられ、臨床現場での円滑な運用に寄与できる。また、薬物の吸収低下に寄与する成分についても明らかにしたことから、本研究で用いた経腸栄養剤以外についても推測できる知見となる。
|