研究課題/領域番号 |
20K16093
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47060:医療薬学関連
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研究機関 | 東京薬科大学 |
研究代表者 |
濱野 展人 東京薬科大学, 薬学部, 講師 (80708397)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | CO2産生ナノ粒子 / がん治療 / 温度応答性 / セラノスティクス / マイクロ流体技術 / CO2産生 / イメージング / 超音波イメージング |
研究開始時の研究の概要 |
セラノスティクスとは、治療と診断が一体化したシステムであり、近年、がん病巣を診断しつつ治療を行なう事が出来る次世代型高精度医療システムになり得ると期待されている。本研究では温度によりCO2が発生するナノ粒子を膵がんモデルマウスに投与し、低強度の集束超音波照射によりがん組織内でCO2内封ナノバブルを発生させ、CO2ナノバブルを超音波反射シグナルとして検出することで膵がんの超音波診断造影を試みる。更に強力集束超音波 (HIFU)を照射することで、安全かつ効率的ながん組織の焼灼を試みることで膵がんに対するセラノスティクスシステムの構築を目指す。
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研究成果の概要 |
リポソームの構成脂質を、リン脂質であるDPPC、MSPC、PEG脂質を21.6 : 2.6:1 (mol 比)とし、薄膜法を用いてリポソームを作製した。 pH勾配を利用しドキソルビシンを封入すると同時に炭酸水素アンモニウム (ABC, 300 mM)もリポソーム内部に封入した。結果、約80%のドキソルビシン封入率を有するリポソームを得ることができた。本リポソームを42℃に加温したところドキソルビシンの放出が確認され、加温によってCO2の産生が示唆された。更に加温条件における本リポソームの殺細胞効果について検討したところ、ABCを含まないリポソームと比較して高い殺細胞効果を得ることができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ドキソルビシンとABCを共に封入できる脂質ナノ粒子の作製に成功し、加温に伴ってCO2の産生及びCO2産生によりドキソルビシンの放出が促され、ABCを含まないリポソームと比較して高い殺細胞効果を得ることができた。以上、温度に応答することでCO2を産生することから、外部エネルギーを利用したがんの診断・治療システムを可能とし得る新たなナノ粒子として、医療に貢献するものと期待される。
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