研究課題/領域番号 |
20K16102
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47060:医療薬学関連
|
研究機関 | 国立保健医療科学院 |
研究代表者 |
池谷 怜 国立保健医療科学院, その他部局等, 研究員 (50846540)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
|
キーワード | 時系列分析 / 処方動向 / 臨床試験 / SGLT-2阻害薬 / 糖尿病 / レセプトデータ / システマティックレビュー / メタアナリシス |
研究開始時の研究の概要 |
近年、糖尿病患者を対象とした複数の臨床試験から、一部の血糖降下薬に関する良好な試験結果の報告が相次いでいる。良好な試験結果の公表は、関連する医薬品群の処方動向に影響を及ぼしうるが、どのように影響を及ぼし、患者の処方内容に反映されているかは明らかでない。そこで本研究では、診療報酬の明細であるレセプトデータを用いることで、当該臨床試験の結果が公表された後に医薬品処方動向がどのように変化したかを調査する。
|
研究成果の概要 |
本研究の目的は、良好な臨床試験の結果が関連する医薬品の処方へどのように影響を与えるか評価することである。このために、近年画期的な試験結果の報告が相次ぐ、血糖降下薬の一種のSGLT-2阻害薬を対象として分割時系列分析を実施した。その結果、試験論文の公表後にSGLT-2阻害薬の処方が増加することが明らかになった。一方、臨床試験の結果は、その試験が対象として含めた患者から得られた結果であり、含まれていないような医学的背景を有する患者で同様の結果が得られるか明らかでない。しかし、SGLT-2阻害薬の処方は、臨床試験に含まれるような患者であったかどうかに関わらず増加していることが示唆された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、糖尿病領域において、良好な臨床試験の結果は介入に用いられた医薬品の処方を、対象がその試験結果を当てはめられる患者であるかどうかに関わらず増加させうることが示された。すなわち実臨床では、その臨床試験で観測された有効性を期待して行われる処方の一部分が、実際には有効性を得られない可能性のある患者に対しても行われている。本研究はその実態を明らかにすることで、臨床試験の結果を処方に結び付ける際に、結果の一般化可能性に留意することで、より適正な医療資源配分を達成できるような余地があることを示唆している。
|