研究課題/領域番号 |
20K16103
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分48010:解剖学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
宮崎 啓史 東北大学, 医学系研究科, 助教 (90803867)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | マクロファージ / 肝線維化 / 脂肪酸結合蛋白質 / 抗炎症性機能 / 肝マクロファージ / 非アルコール性脂肪性肝疾患 / Kupffer細胞 / 脂肪酸結合蛋白質FABP / 細胞内脂質代謝 |
研究開始時の研究の概要 |
肝臓に局在する免疫系細胞であるKupffer細胞(KC)は免疫防御のみならず肝恒常性維持や病態メカニズムと密接に関わる。本研究ではKCの細胞内脂質代謝による活性化制御機構と肝線維化の病態メカニズムとの関連を明らかにする。具体的には、マウスに高脂肪高コレステロール食を与え非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)/肝線維化を誘導し、肝臓から単離した KCにおけるミトコンドリア機能や脂肪滴の形成・分解、エピジェネティック修飾を観察する。また、隣接細胞との機能的連関についても観察を行い、肝疾患の新たな病態メカニズムの解明を目指す。
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研究成果の概要 |
肝マクロファージ(Kupffer細胞、KC)は、肝環境変化により機能を活性化させ、非アルコール性脂肪性肝炎や肝線維化などの病態に重要な役割を果たすが、KC活性化の分子基盤は不明な点が多い。本研究では、KC特異的に発現する分子FABP7に着目し、肝疾患モデルでのKCの活性化制御機構について検討した。その結果、KCのFABP7は肝線維化を促進させることが示された。一方、肝の脂質蓄積や肝組織炎症への関与は低い可能性も示された。さらに、FABP7はKCの抗炎症性機能活性化を制御し、線維芽細胞の線維化反応を促進させる可能性が示された。今後、より詳細なFABP7によるKCの活性化制御機構を解明したい。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果により、KC特異的に発現する分子FABP7がKCの抗炎症性機能制御機構を介して、肝線維化促進に作用することを示した。肝線維化は肝臓の炎症治癒の役割を果たす一方、肝硬変や肝細胞癌への誘引リスクでもある。FABP7はリガンドである長鎖脂肪酸の細胞内生理機能を制御すると考えられ、今後、長鎖脂肪酸やFABP7によるKCの活性化制御機構をより詳細に明らかにすることにより、KC機能が関与する肝疾患の予防や治療法の開発が期待できる。
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