研究課題/領域番号 |
20K16104
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分48010:解剖学関連
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
一ノ瀬 聡太郎 群馬大学, 大学院医学系研究科, 助教 (80775768)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 抑制性シナプス / シナプトジェネシス / 微小管 / シナプスオーガナイザー / キネシン / 神経細胞骨格 / 接着因子 / 細胞内輸送 / 液-液相分離 / シナプス形成 / タンパク質結合 / 細胞骨格 / 細胞接着分子 |
研究開始時の研究の概要 |
哺乳類の中枢神経系のシナプスは興奮性シナプスと抑制性シナプスに大別される。興奮性シナプスのシナプス後膜には様々なタンパク質が密集し、いわゆるシナプス後肥厚部が観察されるのに対し、抑制性シナプスのシナプス後膜におけるタンパク質の集積は顕著でない。さらに興奮性シナプスの大部分は樹状突起から突き出た区画であるスパイン上に形成されるのに対し、抑制性シナプスの大半は樹状突起のシャフトに形成される。本研究では興奮性および抑制性シナプス形成をそれぞれ誘導する細胞接着分子がどのようにしてこの細胞骨格の差異を生み出しているかを対比的に追究する。
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研究成果の概要 |
興奮性シナプスと抑制性シナプスの両方に局在するテニューリン2が相互作用する細胞骨格について研究を行ったところ、テニューリン2は微小管と相互作用刷る可能性が示唆された一方で、アクチンと相互作用する強いデータを得ることができなかった。抑制性シナプスにはアクチンと微小管のどちらも存在するのに対し、興奮性シナプスは、スパインと呼ばれる、アクチンを主要な細胞骨格とする構造上に作られている。そこで、予定を変更し、テニューリン2による抑制性シナプス形成の詳細なメカニズムを追究したところ、End binding protein (EB)を介した微小管との相互作用が、受容体の集積を促進させることがわかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
興奮性シナプスと抑制性シナプスのバランス(E-Iバランス)は自閉症などの発達障害や統合失調症をはじめとする精神疾患との関連が指摘されており、近年盛んに研究されている。今回、われわれは新たなタンパク質相互作用による抑制性シナプス形成の詳細なメカニズムを解明した。今後、このタンパク質相互作用を変化させることのできる新薬を開発することで、シナプス形成を人為的にコントロールできるため、発達障害や精神疾患の治療への応用が期待される。
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