研究課題/領域番号 |
20K16118
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分48020:生理学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
原田 一貴 東京大学, 大学院総合文化研究科, 助教 (60830734)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | グルカゴン様ペプチド-1 / アルギニンバソプレシン / インクレチン / バソプレシン / 糖代謝 |
研究開始時の研究の概要 |
アルギニンバソプレシン(arginine vasopressin: AVP)は抗利尿ホルモンとして作用するほか、概日リズムや社会行動も制御する。さらにAVPは、インスリンやグルカゴンの分泌制御にも関与する。申請者は、先行研究において消化管ホルモンであるグルカゴン様ペプチド-1(glucagon-like peptide-1: GLP-1)がAVP分泌を抑制することから、AVPとGLP-1の分泌に相互作用が存在し、これがインスリン分泌や血糖値の制御を司っているのではないかと考え、生細胞イメージングおよび3種のAVP受容体遺伝子遺伝子欠損マウスの生理学的解析を行う。
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研究成果の概要 |
アルギニンバソプレシン(arginine vasopressin: AVP)は抗利尿ホルモンとして作用するほか、インスリンやグルカゴンの分泌制御にも関与する。AVP受容体遺伝子欠損マウスは、小腸内分泌L細胞から分泌されるグルカゴン様ペプチド-1(glucagon-like peptide-1: GLP-1)とペプチドYY(peptide YY: PYY)の分泌が著しく低下している一方、高インスリン・低血糖傾向を示し、軽微な栄養分吸収障害を示していると示唆された。今後はフローサイトメトリーによってL細胞を単離回収し、RNA-seqを用いてGLP-1とPYYの分泌不全をもたらす原因の特定を試みる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
GLP-1はインスリン分泌を促進し、PYYは食欲を抑制することが知られているにもかかわらず、本研究においてAVP受容体遺伝子欠損マウスはL細胞からのGLP-1やPYYの分泌が低下していた一方で低血糖・高インスリン傾向という表現型を示した。これは一般的なGLP-1やPYYの役割とは一致しておらず、AVPとGLP-1、PYYが従来知られていなかった複雑なメカニズムにより糖代謝に関与していることを示唆する。ヒトにおいてV1aRとV1bRの遺伝子多型は糖尿病リスクとの相関が示されており、今後さらなる解析を行うことで、新たなメタボリックシンドローム治療に結びつく可能性が期待できる。
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