研究課題/領域番号 |
20K16135
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分48030:薬理学関連
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研究機関 | 広島大学 (2021) 岐阜薬科大学 (2020) |
研究代表者 |
宮良 政嗣 広島大学, 医系科学研究科(薬), 助教 (60816346)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | パーキンソン病 / MPTP/MPP+ / オートファジー / リソソーム |
研究開始時の研究の概要 |
パーキンソン病(PD)は、ドパミン神経細胞が長期間かけて徐々に死滅する神経変性疾患であるが、これを止めるPDの根本的治療法はいまだ確立されていない。我々は、これまでに、PD関連化学物質MPP+をドパミン神経モデル細胞に低濃度・長期間曝露することで、典型的なPDの特徴を再現するPDモデル細胞を作製し、本PDモデル細胞がリソソーム遺伝子発現低下を介してオートファジーの機能低下を示すことを明らかにしてきた。本研究では、PDモデル動物においてもリソソーム遺伝子発現低下が認められるか否かを明らかにするとともに、リソソーム遺伝子発現低下のカギとなる分子、すなわち新規PD治療標的候補分子の特定を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では、ヒト神経芽細胞腫SH-SY5Y細胞において、低濃度パーキンソン病(Parkinson's disease: PD)関連化学物質がリソソーム遺伝子の転写因子TFEBの核移行阻害とは異なるメカニズムでリソソーム遺伝子発現低下を引き起こすことを明らかにした。また、PD関連化学物質(MPTP)慢性投与により作製したPDモデルマウスの中脳黒質において発現変動が認められる遺伝子をTaqMan Arrayにより数種類特定した。なお、PDモデルマウスの中脳黒質において、評価を行ったリソソーム遺伝子の顕著な発現変動は認められなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
パーキンソン病(PD)発症においてリソソームの機能低下が重要な役割を果たす可能性が指摘されているが、その詳細なメカニズムは明らかになっていない。本研究では、PDモデル細胞において認められるリソソーム遺伝子発現低下の原因を絞り込むことができた。PDモデル動物の中脳黒質においては、評価したリソソーム遺伝子の顕著な発現変動を捉えることができなかったが、発現変動が認められるその他の遺伝子を数種類特定することができた。今後、さらに多くのリソソーム遺伝子を解析するとともに、本研究により特定した遺伝子とリソソーム機能との関連性についても検証を行うことで、PD発症メカニズムの解明につながることが期待される。
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