研究課題/領域番号 |
20K16139
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分48030:薬理学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究代表者 |
宇津 美秋 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 生物機能利用研究部門, 研究員 (20802896)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | アストロサイト / 血液脳関門 / がん悪液質 / 培養モデル / コラーゲンビトリゲル / コラーゲンビトリゲル膜 / ヒト微小血管内皮細胞 / 血管透過性 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、全身性の代謝異常であるがん悪液質における中枢神経系のアストロサイトの役割を解明し、治療薬開発の基盤を構築することを目的としている。申請者のこれまでの研究において、がん悪液質のモデルマウスでは視床下部のアストロサイトが活性化していることを見出している。そこで本研究では、細胞の培養担体として生体の結合組織に匹敵する密度のコラーゲン線維を有するコラーゲンビトリゲル膜を用いることで、外挿性の高いアストロサイト培養モデルを構築し、がん悪液質に関連の深い炎症性サイトカインに対するアストロサイトの応答性を詳細に解析する。
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研究成果の概要 |
本研究では、コラーゲンビトリゲル膜(CVM)を介してヒト包皮由来微小血管内皮細胞(HMVEC)とヒト胎児由来アストロサイト(HA)を共培養することで、高い内皮バリア機能を有するヒト血液脳関門モデルを構築することができた。CVMまたはスライドガラス上で培養したHAの分化マーカー発現を比較すると、CVM上で培養した方が発現が高かったことから、CVMを利用した培養モデルはアストロサイトの活性評価に適していることが示唆された。また、構築したモデルにがん悪液質と関連のある炎症性サイトカインを曝露すると内皮バリア機能が低下したことから、がん悪液質において中枢神経系への物質輸送が変化していると予想された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、生体の結合組織に匹敵する高密度コラーゲン線維網から成るコラーゲンビトリゲル膜を培養担体として用いることにより、微小血管内皮細胞とアストロサイトのそれぞれの細胞の機能を賦活化した新規のヒト血液脳関門モデルを構築することに成功した。本モデルはがん悪液質の発症・進展に関連のある炎症性サイトカインに良好な反応を示したことから、今後本モデルを用いてがん悪液質におけるアストロサイトの役割を詳細に解析することで、アストロサイトを標的とした新規のがん悪液質治療法の開発につながることが期待される。
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