研究課題/領域番号 |
20K16150
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分48040:医化学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
今村 聖路 神戸大学, 医学研究科, 医学研究員 (20866074)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 概日時計 / 体内時計 / 母体免疫活性化 / 炎症 / セロトニン |
研究開始時の研究の概要 |
妊娠中の母体感染は出生児における自閉症などの発達障害リスクを増大させる。その根本的な要因は母体免疫の過剰な活性化にあると目されているが、両者の関係は未だ「風が吹けば桶屋が儲かる」状態である。このブラックボックスを解明する鍵として、発達障害児においてしばしば観察される生活サイクルの乱れに着目した。母体の免疫活性化が起点となり、脳幹部障害によるセロトニン神経系の発達異常と、体内時計の破綻が引き起こされるという考えである。本研究においては擬似ウィルス感染を誘発した周産期マウスを材料に、母体免疫・発達障害・体内時計の3者の比較解析を通して、その相関関係や因果関係の解明を目指す。
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研究成果の概要 |
妊娠中の母親における過剰な免疫反応の活性化は出生児の発達障害リスクを増大させるが、その仕組みには未解明な部分が多い。発達障害児においてしばしば体内時計の乱れが観察されることから、過剰な免疫反応を誘発した周産期マウスを材料に、母体免疫・発達障害・体内時計の3者の関係に迫った。本研究においては、出生児の発達障害リスクを高める因子として知られるIL-17aを周産期マウスに高発現させる実験系を構築した。母体免疫活性化マウスより生まれた仔マウスにおける概日性行動リズムは、対照群と比べて長周期化する傾向が観察された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
妊娠中の感染症は胎児の発達に深刻な影響を与えうるが、その機構については不明な点が多い。本研究においては、母体感染が引金となる発達障害発症の過程として体内時計(概日時計)の破綻を想定した。マウス母体における免疫反応を活性化させることにより擬似的に感染症を模倣し、出生児における行動リズムを測定したところ、その行動リズム周期が延長する傾向にあることを見出した。本成果は母体感染が発達障害発症を引き起こす過程に迫る上での動物モデルの基盤となりうる。
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