研究課題/領域番号 |
20K16196
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分49020:人体病理学関連
|
研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
高澤 久美 札幌医科大学, 医学部, 助教 (50359709)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | LSR / タイト結合 / 細胞接着 / がん代謝 / 子宮頸がん / がん / cell adhesion |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、脂質代謝と細胞間接着という二つの細胞機能を併せ持つユニークなLSRという分子に着目して、がん細胞の代謝経路の包括的な変動(代謝リプログラミング)と細胞間接着の密接な関わりの解明を目指す。得られる知見は、LSRにとどまらず、タイト結合関連タンパク質ががんで異常発現する意義の再構築につながる。さらに、脂質代謝選択的な新たな治療戦略の創出、抗LSR抗体療法の効果機序の解明に寄与する。制がん研究において重要な役割を担いつつある代謝リプログラミングの理解に異なる視点を与え、新たな治療戦略創出に寄与するものである。
|
研究成果の概要 |
子宮頸部腺がん手術材料を用いて抗LSR抗体による免疫組織化学を行い、その染色態度を評価した。その結果、非腫瘍性の頸管腺上皮、乳管上皮と比較して、それぞれのがん成分においてLSRの発現態度には有意な差が認められた。CRISPR-Cas9システムにより作製したLSR発現欠損株は対照株と比較して有意に種々の腫瘍悪性化能が低下していた。比較プロテオーム解析では、細胞間接着に関連する遺伝子オントロジー(GO) termが複数検出された。また、乳がんの複数の細胞株を用いてLSRの発現解析を行ったところ、複数の薬剤曝露によりLSRの発現が増加することを確認した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでに、子宮頸がんにおけるLSRの異所性高発現および子宮頸がん悪性化におけるLSRの役割解明に関する研究は皆無である。細胞膜表面に異所性高発現するLSRは診断マーカーとして有望であると同時に、分子標的治療のターゲットともなり得ることから、本研究で得られる知見は、分子機序の理解に役立つと共に、LSR高発現がんの治療戦略立案にも寄与すると期待される。
|