研究課題/領域番号 |
20K16206
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分49020:人体病理学関連
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
竹内 真衣 久留米大学, 医学部, 助教 (10759666)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 悪性リンパ腫 / 未分化大細胞型リンパ腫 / 免疫微小環境 / 遺伝子発現解析 / シングルセル解析 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究はT細胞性リンパ腫の免疫微小環境を解明することを目的とする。nCounter法でがん免疫関連遺伝子の網羅的発現解析を行い、T細胞性リンパ腫に特異的に発現する免疫関連遺伝子を抽出する。続いて代表的な症例でImaging mass cytometryによるシングルセル解析を行い、抽出された特異的な遺伝子がコードするタンパクを発現する免疫細胞を同定し、腫瘍細胞や他の免疫細胞との相互作用を検討する。臨床データとの比較を行い、免疫微小環境の違いと予後との関係についても検討する。このことによりT細胞性リンパ腫のがん免疫治療でターゲットにするべき重要な分子を同定することを目指す。
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研究成果の概要 |
本研究ではnCounterによる遺伝子発現解析、免疫染色、phenocyclerによるシングルセル解析を用いてT細胞性リンパ腫の一種である未分化大細胞型リンパ腫(以下ALCL)の免疫微小環境を検討した。結果、"Don't eat me" signalに関与する CD47とSIRPαがALCLの免疫微小環境に重要であることが示された。ALCLの腫瘍細胞にCD47が発現しており、SIRPα陽性間質細胞が周囲に多数認められた。以上より、ALCLにおいてCD47とSIRPαの相互作用による免疫逃避機構が働いている可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
T細胞性リンパ腫は化学療法の効果が不十分であり、がん免疫療法などの活用が期待される。がん免疫療法の適切な利用にはがん細胞を取り巻くT細胞などの免疫微小環境の理解が重要であるが、T細胞性リンパ腫はT細胞自体が腫瘍化しているため従来の方法では免疫微小環境の解析が困難であった。本研究では遺伝子発現解析とシングルセル解析を併用することでより詳細な検討を可能にし、治療の進歩に貢献する可能性が期待される。
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