研究課題/領域番号 |
20K16212
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分49030:実験病理学関連
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研究機関 | 北海道大学 (2021) 東京大学 (2020) |
研究代表者 |
久保田 晋平 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 特任講師 (90808859)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 全身全細胞解析 / システム生物学 / がん微小環境 / 組織透明化 / がん転移 / 癌転移 / シングルセルバイオロジー |
研究開始時の研究の概要 |
がんの持つ時空間的な多様性を解明するために、申請者らが開発してきた全身全細胞を1細胞解像度で網羅的に観察するための組織透明化技術および大容量画像の解析技術を発展応用させることにより“がんの三次元病理解析基盤の確立”を目指す。確立した基盤技術を担がんモデルマウスに対して展開することで、がんの発生から治療による根治もしくは治療抵抗性の獲得による再発・転移まで、時系列的にがん微小環境における相互作用のダイナミクスを定量的に解明することが可能となる。本技術はがん微小環境の制御による新規医療技術シーズの創出・検証に繋がると考えている。
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研究成果の概要 |
本研究においてはがん病態を分子から個体レベルまで統合して理解するためにマウス全身に局在するがん細胞の可視化技術の開発に取り組み、個体レベルでの網羅的1細胞解析の基盤技術を構築した。その結果、様々な臓器への転移を個体・臓器レベルで3次元観察することが可能となり、がんの転移に関与するサイトカインであるTGF-betaが、がん微小環境を変えることでがんの転移を促進するという、がん微小環境の新たなリモデリング機構を見出しました (Kubota et al., Commun. Biol., 2021)。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
今回の研究では、これまでに樹立した簡便な組織透明化手法の開発に、機械学習による画像解析を組み合わせることで、がん微小環境内における細胞間相互作用の解析基盤を構築しました。本解析手法を用いることで TGF-beta刺激をうけたがん細胞が、TGF-beta刺激をうけていないがん細胞にも影響を与えてがん細胞の転移巣形成を促進するという、TGF-betaの新たな作用を明らかにしました。これらの発見は、がん微小環境における細胞間相互作用によるがん転移促進機構と、そのメカニズムを担う分子のがん治療標的としての可能性について有益な示唆をもたらしました。
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