研究課題/領域番号 |
20K16220
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分49030:実験病理学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
大島 健司 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (40817152)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 腫瘍代謝 / 大腸がん / ミトコンドリア / C14orf159 / がん代謝 / ヒストンアセチル化 / 浸潤 / 転移 / 代謝 / D-glutamate cyclase / がん浸潤 / 化学療法抵抗性 |
研究開始時の研究の概要 |
がん細胞は、正常組織とは全く異なる代謝動態を獲得していることが知られており、アミノ酸代謝もその一つである。これまでD-アミノ酸ががん細胞の代謝でどのような役割を果たすかは明らかにされていない。近年、D-グルタミン酸を代謝するD-グルタミン酸シクラーゼ (DGLUCY)が哺乳類で初めて同定された。本研究は、DGLUCYのがん代謝における機能を明らかにすることを目指す。
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研究成果の概要 |
がん細胞は、自身の生存に有利になるように、正常組織とは全く異なる代謝動態を獲得しており、アミノ酸代謝もその一つである。ヒトの体内で利用、合成されるアミノ酸はそのほとんどがL-アミノ酸であるが、ヒトはいくつかのD-アミノ酸代謝酵素を有している。本研究では、D-グルタミン酸の代謝に関わるC14orf159がヒト大腸がんの増殖能、浸潤能、転移能を抑制することを見出した。そのメカニズムとして、C14orf159が大腸がんの転移に関与するMMP, Wntファミリーの遺伝子発現を抑制していることを示し、その遺伝子発現制御にはC14orf159が維持するミトコンドリア膜電位が関与している可能性を見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
がん細胞がL-アミノ酸代謝を改変していることは広く知られており多くの研究がなされている。しかし、がん細胞におけるD-アミノ酸代謝酵素の機能は、申請者らがこれまでの研究で示した大腸がんにおけるSerine racemaseの機能以外は明らかになっていなかった。本研究は、もう一つのD-アミノ酸代謝酵素であるC14orf159の大腸がんにおける機能を明らかにした。これらは、これまで未知であった「D-アミノ酸代謝酵素群」のがんにおける機能を明らかにするものであり学術的意義を有している。
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