研究課題/領域番号 |
20K16227
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分49030:実験病理学関連
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研究機関 | 武蔵野大学 |
研究代表者 |
村上 祐輔 武蔵野大学, 薬学部, 講師 (50757325)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | ANCA関連血管炎 / 自己免疫疾患 / 核酸認識Toll様受容体 / Toll-Like Receptor / Toll様受容体 / 血管炎 |
研究開始時の研究の概要 |
抗好中球細胞質抗体(ANCA)関連血管炎は、全身または腎限局性の血管炎を発症することで臓器障害が起こり、患者の10%で難治化する。自己抗体ANCA産生や、一部で好酸球が増加するアレルギー性の症状が同時に起こる複雑な病態を示す。根治治療はない。本研究では、TLR7/9は、病原体の核酸センサーであり、生体防御に関わる一方、炎症で傷害された細胞からの自己核酸にも応答して、さまざまな疾患に関わることが知られている。本研究では、TLR遺伝子欠損マウスを用いたANCA関連血管炎モデルの解析やTLR7またはTLR9阻害抗体を投与して、病態の抑制効果を評価し、TLRが本疾患の治療標的になりうるのか検証する。
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研究成果の概要 |
ANCA関連血管炎(AAV)は、好中球細胞質の抗原に対する抗体(ANCA、自己抗体)の検出と糸球体腎炎といった多臓器・組織の炎症を特徴とする疾患である。我々は、最近、DNAやRNAを認識するToll様受容体(TLR)が自己免疫性の腎炎に関与することを報告している。そこでAAVモデルマウスを用いて、これらのTLR応答の意義を解析したところ、TLR7阻害抗体およびTLR7ノックアウトで病態の部分的な抑制効果を認めた。これらの結果は、新たな病態形成メカニズムの解明と治療薬の開発に貢献すると考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ANCA関連血管炎は、難病指定された根治の難しい疾患である。治療法は免疫抑制剤やステロイド製剤の投与であり、副作用の少ない治療法の開発が求められている。またこれらの薬に抵抗を示す患者もいる。本研究では、AAVモデルマウスを用いて、TLR7の病態への関与を検証した。我々は、独自に樹立した抗TLR7阻害抗体やTLR7KOマウスを用いて解析したところ、部分的にAAVの病態を抑制する結果を得た。これらの結果は、新たな病態形成メカニズムの解明と治療薬の開発に貢献すると考えられる。
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