研究課題/領域番号 |
20K16231
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分49030:実験病理学関連
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研究機関 | 東京医科歯科大学 (2023) 公益財団法人東京都医学総合研究所 (2020, 2022) |
研究代表者 |
津山 淳 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助教 (20760101)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 脳梗塞 / ミクログリア / エピジェネティクス / アンチセンスオリゴ / 神経修復 / 一細胞解析 / 分子標的薬 / エピゲノム解析 / エンハンサー |
研究開始時の研究の概要 |
急性期と比較して回復期である脳梗塞6日後のミクログリアにおいて発現が高く、なおかつIgf1-EGFPマウス由来のIgf1高発現ミクログリアにおいて高い発現を示した208遺伝子を修復関連遺伝子群とした。本研究では、Igf1同期遺伝子群の制御機構を解明することで、神経修復に寄与するミクログリアの誘導機構に迫る。具体的には、①修復関連遺伝子群を制御するエンハンサーの同定、②エンハンサーを制御する転写因子の探索、③修復収束の解明を行う。
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研究成果の概要 |
脳梗塞後の脳組織においてミクログリアは脳梗塞後に応答して劇的な遺伝子発現の変化を伴う。本研究においては、インスリン様成長因子(Igf1)などの神経栄養因子を発現する特定のミクログリア集団が機能回復において重要な役割を持つことを見出した。またエンハンサー解析から修復終了時に働く因子を同定し、その阻害剤を開発した。本研究では、修復を終わらせず持続させることによって脳梗塞後の神経症状を改善させるというこれまでにない治療法を確率させた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
脳卒中は本邦における主な死因、寝たき りの原因を占めており、健康寿命の延伸を 阻害する要因となっている。脳卒中の約7~ 8 割を占める脳梗塞では、発症後の約半年間 は神経機能に改善が見られるが、それ以降 は機能回復がほとんど見られなくなる。本研究においては脳機能回復をもたらす修復性ミクログリア集団を同定し、それらをより長期間に渡って脳内に存在させることに成功している。脳梗塞後に修復性ミクログリアを脳梗塞後により長期間維持することができれば、脳梗塞後の機能回復の促進と延長をもたらすことが可能となる。すなわち、機能回復を諦めない画期的な治療法の確立につながる意義を持つ研究である。
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