研究課題/領域番号 |
20K16232
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分49030:実験病理学関連
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研究機関 | 琉球大学 (2021-2022) 医療法人徳洲会野崎徳洲会病院(附属研究所) (2020) |
研究代表者 |
樋口 裕城 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), ポスドク研究員 (20852982)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 神経新生 / うつ / 自閉症 / マイクロRNA / Prickle2 / miRNA / Prickle / ASD / 平面内細胞極性 / 神経細胞 / モデルマウス |
研究開始時の研究の概要 |
平面内細胞極性調節因子の一つPrickle2は新たなシナプス構成因子であり、神経発生過程や神経伝達に関わることがこれまでに示されている。また、医学的な観点からは、その遺伝子変異がてんかんや自閉症、二分脊椎を引き起こしているという症例が報告されており、その発病メカニズムの解明が期待されている。研究代表者は、これまでにPrickle2の発現量を調節しうるmiRNAを複数単離した。本計画では、これらmiRNA群に関する遺伝子改変マウスを作製・解析することによってその必要性を検証し、また、どの程度の重要性を以ってPrickle2が果たす神経生物学的役割に関与しているのかを明らかにする。
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研究成果の概要 |
自閉症やうつ病などの精神神経系疾患がどのような仕組みで起こるのかを解明する目的で、神経細胞で働いている疾患関連因子を分子生物学的に分析した。第一に、自閉症関連因子としてPrickle2というタンパク質に注目し、マイクロRNAという小さなRNA3種類がPrickle2の量を調節していることを確認した。また、本研究では複数のマイクロRNAが脳内での新たな神経細胞の生成に関与している可能性を見出した。成熟した脳内での神経細胞の生成・維持機能の破綻はうつ病やアルツハイマー病などの疾患と密接に関連しており、本研究の結果はこれらの疾患の基盤メカニズムにマイクロRNAが関与している可能性を示唆している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
神経新生は哺乳類の脳内で成熟後も続く神経前駆細胞の増殖・分化・ 成熟とそれによる中枢神経系の維持・再構築のための内因性機構であり、その破綻は自閉症・うつ病・統合失調症等の精神疾患、アルツハイマー病等の加齢性疾患と密接に関係している。本研究はその機構の一端をマイクロRNAという小さなRNA分子が担っていることを示唆するものであり、その成果は神経新生の破綻が関与する精神神経疾患の基盤メカニズムの解明や治療・症状緩和法の開発に繋がり得るものである。
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