研究課題/領域番号 |
20K16243
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分49050:細菌学関連
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
西田 隆司 大阪大学, 微生物病研究所, 助教 (20845200)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
|
キーワード | 百日咳 / 生体イメージング / 気管支敗血症菌 / 百日咳菌 / in vivoイメージング / 病原遺伝子 |
研究開始時の研究の概要 |
百日咳は特徴的な咳発作を伴う呼吸器感染症であり、近年、その発生件数は増加傾向にある。その制御のためには、百日咳菌の感染成立機序や病態形成機序の解明が不可欠である。百日咳の感染病態に関与する因子として複数の病原因子が報告されているが、各因子を単独で欠損させても病原性を完全に喪失させるには至らない。このことから複数の病原因子が相補的に機能していると想定される。 そこで本研究では、新しい発光システム(AkaBLIシステム)を利用し、生体内の菌を可視化し解析することで、百日咳菌の感染成立に必須な病原遺伝子群の同定を目指す。得られた知見は百日咳菌の予防や治療法の開発に貢献できると期待される。
|
研究成果の概要 |
ヒトに感染し特徴的な咳発作を引き起こす百日咳菌は、これまでに多様な病原因子が同定されている一方で、感染成立機序の全容は不明のままである。そこで本研究では、複数の病原因子を同時に解析することで、百日咳菌の感染成立機序の解明を試みた。まず、近縁菌である気管支敗血症菌とその自然宿主であるラットを感染モデルとし、生体内における菌の消長を継続的に評価するためにin vivoイメージングシステムの構築を行なった。次に、百日咳菌と共通する既知の病原因子の多重欠損株を作製し、その感染性を評価した。その結果、毒素や付着因子などの病原因子を欠損させても気管支敗血症菌が生体内で一時的に増殖することが明らかとなった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では菌の生体内動態を継続的に評価することで、感染初期から後期において、気管支敗血症菌の病原因子が異なるタイミングで機能していることを明らかとした。また感染初期においては未知の因子が感染に関与する可能性を示した。この成果は百日咳菌の感染成立機序を包括的に理解するための端緒となり、将来的には感染成立機序の解明を通して、百日咳を制御する方法の構築につながると考えられる。
|