研究課題/領域番号 |
20K16244
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分49050:細菌学関連
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研究機関 | 名古屋大学 (2021-2022) 大阪大学 (2020) |
研究代表者 |
木下 遼 名古屋大学, 医学系研究科, 特任助教 (50846566)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | ピロリ菌 / small RNA / ヘリコバクター・ピロリ / TLR3 / sRNA / 細菌感染 |
研究開始時の研究の概要 |
これまでピロリ菌感染による胃の炎症は、腸管に存在するパイエル板を介したピロリ菌の取り込みや、リポ多糖(LPS)による胃内のTLR4の活性化によることが報告されてきた。しかし、腸管のパイエル板を介した直接的ではない胃の炎症の活性化や、TLR4の活性化が弱いピロリ菌のLPSにより活性化する炎症発生の機序は不明な点が多く、混沌としているのが現状である。そこで、ピロリ菌のsRNAと胃で強力に発現しているTLR3に着目した。本研究を行うことで、がんや炎症において、RNAやTLR3といった、既存の治療薬とは全く異なるターゲットを発見することが期待される。
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研究成果の概要 |
ピロリ菌の感染は、胃炎、胃潰瘍、胃がん、MALTリンパ腫などの消化器疾患の発症に関わっている。本研究を進めていくと、ピロリ菌の保有するsmall RNA (sRNA)のsRNA-XおよびsRNA-Zが胃炎発症に関与していることが見出された。さらにピロリ菌臨床分離株を用いた実験結果から、sRNA-Xの発現量と臨床所見が相関することを見つけた。以上の結果から、ピロリ菌による胃炎には、ピロリ菌の保有する病原性sRNAが寄与することが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ピロリ菌は世界人口の約半数が感染している大規模感染症であり、胃炎や胃がんなどの消化器疾患を引き起こすことが知られているが、胃炎発症メカニズムは不明な点が多い。しかし本研究を通じて、ピロリ菌が保有するsmall RNAが胃炎発症メカニズムに関与している可能性が示唆された。本研究で得られた新知見は、他の細菌感染症解析の道を拓くほか、創薬・ワクチン開発へとつながることが期待される。
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