研究課題/領域番号 |
20K16247
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分49050:細菌学関連
|
研究機関 | 大阪公立大学 (2022) 大阪府立大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
畑中 律敏 大阪公立大学, 大学院獣医学研究科, 助教 (20803745)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | Campylobacter / 細胞膨化致死毒素 / CDT |
研究開始時の研究の概要 |
Campylobacter fetusはヒトにおいて腸管感染症を引き起こすが、敗血症や髄膜炎等の腸管外感染症の報告も多い。本属菌において病原因子の1つと考えられている細胞膨化致死毒素(CDT)は、C. fetusでは3種類のcdt遺伝子を保有していることが明らかとなっている。本研究課題では、1)3種類のcdt遺伝子の分布状況の把握およびそのスクリーニング法の構築、2)各cdt遺伝子がコードするCDTの生物活性の比較、3)CDTの産生性と細胞侵入性・免疫細胞に対する影響を検証することにより、C. fetusの病原性における各CDTの役割、複数のCDTを産生する意義を明らかにする。
|
研究実績の概要 |
Campylobacter属菌において病原因子の1つと考えられている細胞膨化致死毒素(CDT)は、C. jejuni, C. coliにおいてはそれぞれ1種類のみのCDTをコードするcdt 遺伝子が保有されている。一方で、C. fetusでは全ゲノム解析より本菌種が3種類のcdt遺伝子を保有していることが明らかとなっている。本研究課題ではC. fetusの病原性における各CDTの役割、複数のCDTを産生する意義を明らかにすることを目的としている。 令和4年度は主にCampylobacter fetusの野生株のcdt遺伝子の配列の保存性について解析を行うとともに、MLSTを行い菌株の系統解析結果とcdt遺伝子配列の関連性について解析を進めた。また、解析した配列を基に各野生株が産生しうるCDTの活性の有無、タンパク質としての相同性も確認し令和5年度に向けて3種類のCDTに対する抗体を作成するために、抗原となる組換えタンパク質を準備中である。 また、各CDTの組換タンパク質についても作成し3種類のうち2種類は生物活性を示すことを明らかとした。このことよりも野生株が少なくとも2種類の活性があるCDTを産生している可能性があり、これらをどのように使い分けているのかについても今後明らかとしていきたい。活性を示さなかった残り1つのCDTについては、抗体を作成後本CDTの産生性についてもウエスタンブロッティングにて解析を行い、なぜ生物活性を示さなかったのかについても明らかとしていく予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度は大幅に進捗状況は遅延していたが、今年度は年度初めに計画した通り各菌株ぼ細胞膨化致死毒素の塩基配列解析を行い、次年度の毒素の活性を解析する準備を始めることができているため。
|
今後の研究の推進方策 |
現在準備中の抗原をウサギに免疫し各CDTに対する抗体を作成し、野生株のCDTの産生性について解析を行うとともに、各CDTの組換タンパク質を作成し生物活性およびその違い(細胞嗜好性)等についても解析を進め、C. fetusがなぜ3種類のCDTを保有しているのかについて検証を行っていく。
|