研究課題/領域番号 |
20K16252
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分49050:細菌学関連
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
菱沼 知美 順天堂大学, 大学院医学研究科, 助手 (90468570)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 緑膿菌 / 薬剤耐性 / カルバペネム耐性緑膿菌 / タンデムリピート / VIM型カルバペネマーゼ / プラスミド / 多剤耐性緑膿菌 / カルバペネマーゼ / Pseudomonas aeruginosa / 薬剤耐性因子 / 全ゲノム解析 |
研究開始時の研究の概要 |
日本の医療施設における多剤耐性緑膿菌(MDRP)の新興・伝播が医療安全を根底から脅かしている。MDRPが産生するカルバペネマーゼは、抗生剤の切り札であるカルバペネム系薬を分解し、細菌の高度カルバペネム耐性に寄与している。日本で分離されるMDRPのほとんどはIMP型カルバペネマーゼを産生する。しかし申請者は、2012年以降のMDRP臨床分離株の分子疫学解析から、MDRPが産生する流行性カルバペネマーゼが大きく変化していることを見出した。本研究の目的は、2019から2021年に新たに分離されたMDRP臨床分離株の分子疫学解析を通して、カルバペネマーゼの進化様式を解明することである。
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研究成果の概要 |
本研究により日本の医療施設でVIM型カルバペネマーゼ産生MDRPの分離率が上昇していることを明らかにし報告した。また特定の地域でプラスミド由来のVIM型MDRPが変異を繰り返し拡大していることを見い出した。VIM遺伝子をタンデムに保有するMDRPを同定し、その細菌学的特性を解析した結果、VIM-24タンデムリピートが1/2MICセフェピムに対する耐性を与えることを見出し報告した。新規カルバペネマーゼ としてVIM-76およびIMP-78を同定した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日本で分離されるMDRPのほとんどが染色体由来のIMP型産生菌である中、プラスミド由来のVIM型産生菌が拡大していることを発見したことにより、VIM遺伝子の水平伝播を危惧する必要があることを報告できた。また、特定の地域で繰り返されるVIM遺伝子の変異と第4世代セファロスポリン系抗菌薬cefepimeに対する耐性との関連性を示唆されたことから、感染症治療薬の選択に基礎的な知見を与えることができた。
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