研究課題/領域番号 |
20K16276
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分49070:免疫学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
森田 直樹 東京大学, 定量生命科学研究所, 助教 (80845107)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 粘膜免疫 / 腸内細菌 / 自然免疫 / 腸管免疫 / マクロファージ |
研究開始時の研究の概要 |
小腸に存在する自然免疫細胞の一種である貪食細胞は乳酸またはピルビン酸に反応して小腸上皮細胞間から樹状突起を腸管管腔中へ伸長することで、腸管上皮細胞同様に腸管管腔面と接することのできる数少ない細胞種の一つである。小腸貪食細胞も樹状突起を介して腸管管腔面に接することから、上皮細胞同様に生理活性分子を腸管管腔中へと分泌することで、正常な腸内細菌叢維持に寄与している可能性が示唆される。これらの仮説から本研究では小腸貪食細胞が管腔中へと分泌する生理活性分子の同定及びそれによる腸管恒常性維持への寄与を明らかにする。
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研究成果の概要 |
正常な腸内細菌叢は様々な環境因子や宿主細胞由来の分泌性分子によって、制御を受けている。申請者は小腸腸管に存在する貪食細胞の一種であるCX3CR1+細胞が分泌型PLA2G2D分子を高発現していることを明らかにした。分泌型PLA2G2D分子はグラム陽性菌に対して抗菌活性を持つことが報告されている。そこで分泌型PLA2G2D分子欠損マウスの腸内細菌叢を調べたところ加齢に伴うグラム陽性菌の増加が確認された。また、加齢による腸内細菌叢の変化に伴う非アルコール性肝障害(NAFLD)や肝がんの発症が確認された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
申請者は小腸腸管に存在する貪食細胞の一種であるCX3CR1+細胞が分泌型PLA2G2D分子を高発現していることを明らかにした。分泌型PLA2G2D分子はグラム陽性菌に対して抗菌活性を持つことから、リステリア菌に対する感染実験を行なったところ、野生型マウスに比較性して分泌型PLA2G2D分子欠損マウスは高い感受性を示すことが明らかになった。また分泌型PLA2G2D分子欠損マウスは加齢に伴うグラム陽性腸内菌の増加やそれに伴う肝臓疾患の発症・増悪することを明らかにした。これらの結果から、正常な腸内細菌叢の維持にCX3CR1+細胞由来の分泌型PLA2G2D分子が重要であることが示唆された。
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