研究課題/領域番号 |
20K16279
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分49070:免疫学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
川上 竜司 京都大学, 医生物学研究所, 特定助教 (70869114)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 免疫寛容 / 制御性T細胞 / Treg / エンハンサー / CRISPR/Cas9 / Foxp3 / Treg-DR / エピジェネティクス |
研究開始時の研究の概要 |
T細胞応答は外来抗原の侵入を察知し, 攻撃することで体内の恒常性を保つ重要な免疫システムである. 一方で過剰な免疫応答を抑制するために, 抗原に遭遇したT細胞の一部は免疫を抑制することに特化した制御性T細胞にも分化する. 抗原を攻撃する活性化型エフェクターT細胞と制御性T細胞への分化の仕分けが行われるメカニズムは不明な点が多い. 本研究では, 細胞内シグナル伝達, 転写因子, クロマチン状態に着目し, 制御性T細胞が分化ののち長期間安定的に免疫抑制能を保ちつづけることができる分化メカニズムの解明を目指す.
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研究成果の概要 |
胸腺におけるFoxp3陽性制御性T細胞 (regulatory T cell; Treg) の分化機構を、マウス胸腺を用いて探索した。主な成果として、クロマチン免疫沈降、トランスポザーゼクロマチン解析等を組み合わせ、X染色体上の200塩基と700塩基長からなる非コードDNA領域によるTreg特異的なエンハンサー制御が胸腺におけるTreg分化と免疫寛容の成立に不可欠であることを証明した。また、胸腺Treg分化の前駆細胞を新たに同定し、特定のサイトカインの相乗効果による新たな分化経路の存在も示した。これらは、自己免疫疾患、がんやアレルギーの制御法の改良・開発に寄与しうる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
制御性T細胞は自己免疫疾患、がん、アレルギーの制御に中心的な役割を果たすヘルパーT細胞サブセットである。これら疾患の多くは難治性ないし指定難病であり、免疫寛容誘導の生理学的メカニズムに基づく疾患病態の理解と治療法開発は急務である。今回新たに制御性T細胞分化メカニズムに寄与するDNA領域を明らかとし、未知のTreg前駆細胞集団をセルソータを用いて単離する技術を開発したことは、制御性T細胞分化の分子メカニズム研究を大いに進展させ、それを標的とした薬剤や治療法の開発につながるものと考える。
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