研究課題/領域番号 |
20K16293
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分49070:免疫学関連
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研究機関 | 沖縄科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
平良 直幸 沖縄科学技術大学院大学, 免疫シグナルユニット, ポストドクトラルスカラー (40813621)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | CD8T細胞 / 転写因子 / JunB / effector CD8 / CD8 / 獲得免疫 |
研究開始時の研究の概要 |
JunB欠損OT-1細胞を養子移入後LM-OVA(OVAを発現するリステリア菌)を感染させることで、ナイーブCD8+T細胞をエフェクター細胞に分化する。その細胞をシングルセル解析することで、エフェクター細胞形成時におけるJunB欠損の影響を網羅的に解析する。同様にCre-ERマウスを利用して時期特異的にJunBを欠損させることでメモリー細胞形成時におけるJunBの影響も解析する。また、in vitroで活性化した細胞を用いてChip-seqやChip-PCRを行うことでunBの転写因子制御機構を明らかにし、JunBが関与するCD8+T細胞増殖・分化の分子メカニズムを解明する。
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研究成果の概要 |
T細胞分化に関するAP-1転写因子の重要性は数多く報告されているが、その一種であるJunBのCD8T細胞分化における機能はほとんどわかっていない。そこでエフェクターCD8T細胞の分化におけるJunBの役割を解明した。JunBの発現はLM-OVA感染4日後に増加し、7日後では発現は確認できなかった。重要なことにJunBを欠損するとエフェクターCD8T細胞の蓄積が起こらず、Bimタンパク質が増加しアポトーシスが誘導されていた。JunB欠損の影響を細胞培養条件下で検討したところ、PD-1やTim-3の発現亢進が見られたことから、JunBはエフェクター細胞の生存に加え疲弊化も制御する可能性を発見した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
今回の結果から、CD8T細胞におけるエフェクター細胞分化においてのJunBタンパク質の役割を解明できた。JunBを欠損することでエフェクターCD8T細胞の蓄積がほとんど起こらないことから、JunBの存在はCD8T細胞が活性化し、外来抗原を除去するために非常に重要であり獲得免疫システムにおいて核となるタンパク質であると考えられた。さらにPD-1やTim-3等の疲弊化マーカーの発現に関連する可能性も示唆されたことから、今後がん免疫療法で着目されているエフェクターCD8T細胞の疲弊化を解除するための研究に繋がり、効果的ながん免疫療法の発展へ期待できる。
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