研究課題/領域番号 |
20K16295
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
家村 顕自 東北大学, 加齢医学研究所, 助教 (50778058)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 染色体不安定性 / 細胞増殖 / 細胞分裂 / 多様性 / 増殖優位性 / がん / クローン進化 |
研究開始時の研究の概要 |
がん組織を構築するがん細胞は、多様な生育環境に適応するために、様々な形質や異なる遺伝情報をもつ細胞集団から増殖優位性をもつ細胞クローンが選択増殖する生存戦略(クローン進化)を有している。しかし、クローン進化の過程でどのような細胞が増殖優位性を獲得し、どのような分子経路のもとで選択増殖するのかは明らかにされていない。 そこで本研究では、増殖優位性獲得過程に必要な分子経路を特定し、染色体不安定性がん細胞の増殖優位性獲得に必要な分子基盤を明らかにする。
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研究成果の概要 |
染色体不安定性によってもたらされた遺伝的多様性を有するがん細胞集団から、環境適応した細胞が如何に選択され増殖し、優位性を獲得するのかその機構については不明である。本研究では、染色体不安定性の発生頻度が異なるがん細胞の増殖過程、染色体コピー数、遺伝子発現解析を行い、染色体不安定性が、増殖優位性獲得に必要なKRAS経路の活性化と折りたたみ不全タンパク質を効率的に処理できる細胞の作出に寄与していることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
がんのクローン進化は最終的に構築された腫瘍組織を用いて変化の蓄積を類推することで立証されてきたが、分子レベルでその制御基盤を解析するためには、クローン進化過程を再現し検証することが必要である。本研究では、in vitro培養系を用いて、クローン進化に必要な増殖優位性獲得過程の経過を観察・解析し、染色体不安定性の増殖優位性に必要な分子経路の一端をみいだした。本研究により、増殖優位性クローン進化に対する本質的な意義を明示し、染色体不安定性がん細胞を標的とした新たながん治療方策を提示できる可能性があることから、学術的・ 社会的に高い意義を有していると予想される。
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