研究課題/領域番号 |
20K16312
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
山崎 寛之 東海大学, 医学部, 奨励研究員 (90837816)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | DNA修復 / 滑膜肉腫 / 融合遺伝子 / 相同組換え修復 |
研究開始時の研究の概要 |
滑膜肉腫は染色体転座t(X; 18) (p11.2; q11.2)によって生じる悪性の軟部腫瘍である。滑膜肉腫は肺や脳への転移が多く見られる予後不良の腫瘍であり、外科的手術に加えDNA損傷剤を用いた化学療法が行われる。我々はこれまでに滑膜肉腫にDNA修復異常があることを見出したが、そのメカニズムは不明であった。本研究では、滑膜肉腫原因融合遺伝子SS18-SSXがDNA修復異常を引き起こすかを明らかにし、そのメカニズムを解明することを目指す。
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研究成果の概要 |
滑膜肉腫は染色体転座t(X; 18) (p11.2; q11.2)によって生じる悪性腫瘍である。染色体転座によって生じるSS18-SSXを線維芽細胞に発現させると、腫瘍化することから、この染色体転座が滑膜肉腫の発症に重要であることが示唆されている。本研究は滑膜肉腫における相同組換え修復不全およびPARP阻害剤高感受性の原因を解明することを目的とした。様々ながん細胞株にSS18-SSXを発現させた細胞および滑膜肉腫細胞株を用いた解析の結果、RIF1による複製ストレスの抑制が滑膜肉腫の生存に必要であることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
滑膜肉腫は悪性の軟部腫瘍であり、5年生存率は50~60%である。予後不良因子は、腫瘍径5cm以上、高悪性度である。転移がある場合、5年生存率は半減する。予後向上のためには再発や転移を抑制することが重要であり、術前術後の化学療法の充実が待たれる。我々の研究成果は悪性の軟部腫瘍である滑膜肉腫に対する化学療法の改良にも貢献しうるという社会的意義を有している。また、滑膜肉腫原因融合タンパク質SS18-SSXによるDNA修復およびDNA複製異常の解明という学術的意義も持ちうる。
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