研究課題/領域番号 |
20K16371
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
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研究機関 | 公益財団法人微生物化学研究会 |
研究代表者 |
小野寺 威文 公益財団法人微生物化学研究会, 微生物化学研究所 沼津支所, 研究員 (20733166)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | がん代謝 / ペントースリン酸経路 / アミノ酸欠乏 / 膵がん / 低栄養 / 腫瘍微小環境 |
研究開始時の研究の概要 |
がん細胞は、正常細胞と異なった微小環境で生存するために、特徴的な代謝リプログラミングを起こしている。腫瘍内部環境を模倣した低栄養環境において、ペントースリン酸経路に関わるトランスケトラーゼファミリー遺伝子の発現が大きく増大していることを見出した。興味深いことに、本遺伝子は低酸素に制御されず低栄養環境にのみ応答することから、既に知られている代謝改変関連遺伝子とは異なる特徴を持つことが明らかとなった。本研究では、低栄養環境で高発現するがん特異的エネルギー代謝遺伝子の機能解析を通して、腫瘍微小環境におけるがん特異的エネルギー代謝リプログラミング機構の解明を行う。
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研究成果の概要 |
低酸素、低pH、低栄養状態といった腫瘍微小環境にあるがん細胞は、生存に必要なエネルギー獲得のため、解糖系に高度に依存した代謝改変を行っている。がん特異的代謝を分子標的治療薬の標的とすることは、新規抗がん剤の開発戦略として有望である。本研究では、アミノ酸欠乏環境において発現量が著しく上昇するTransketolase-like1(TKTL1)を見出し、その遺伝子機能解明とがん治療における分子標的候補としての検討を行った。その結果、TKTL1はアミノ酸欠乏環境にあるがん細胞の増殖を有利にさせるよう機能している可能性が示された。TKTL1は抗がん剤開発のための魅力的な標的であることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
腫瘍微小腫瘍環境の一つである低栄養状態を模倣した環境において、ペントースリン酸経路で機能するとされるTransketolase-like 1 (TKTL1)が高発現していることを見出し、がんにおけるTKTL1の機能解明を行った。これまで、TKTL1の機能についての詳細はよく分かっていなかったが、in vitroおよびin vivo実験結果から、TKTL1を抑制すれば、腫瘍増大を阻止できることが示唆された。本研究は、未解明であるがん代謝の理解を深めるとともに、がん特異的代謝を標的とした阻害剤の開発および新しいがん治療法の基盤構築に繋がることが期待される。
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