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脳腫瘍に対するWT1経口がんワクチンの効果と腫瘍内浸潤リンパ球の検討

研究課題

研究課題/領域番号 20K16384
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
研究機関大阪大学

研究代表者

皆川 光  大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (60792132)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
研究課題ステータス 完了 (2022年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
キーワードがんワクチン / 腫瘍免疫 / 腸内細菌 / ビフィズス菌 / WT1 / 脳腫瘍 / 血液脳関門 / 腫瘍内浸潤リンパ球 / がん免疫 / 経口ワクチン / 頭蓋内接種 / 放射線治療 / 腫瘍浸潤リンパ球 / 癌ワクチン / 腸管免疫
研究開始時の研究の概要

脳腫瘍、特にびまん性グリオーマは2年生存率20%以下と生命予後が不良な疾患で、既存の治療法だけでは治療効果は乏しい。我々はこれまでにビフィズス菌を用いたWT1経口がんワクチンを開発し、マウスモデルにおいてその抗腫瘍効果を明らかにしてきた。脳腫瘍患者のQOLを保ちながら生命予後を改善する治療法の一つとして、このWT1経口がんワクチンの有効性とその作用機序を明らかにしたいと考えている。脳という環境は血液脳関門に守られた領域であるため、がん免疫を担う細胞の働きが異なることが推測される。そこで脳腫瘍局所の免疫細胞を解析し、どのようにすれば抗腫瘍効果を高めることができるか検討したい。

研究成果の概要

膠芽腫細胞をマウスの頭蓋内に接種し、血液脳関門を破壊する目的でに放射線照射を施行した。そのからWT1経口がんワクチンを内服させた。生存率としては7匹中6匹が死亡し、1匹は腫瘍が治癒した。死亡したマウスでも生存期間の有意な改善と腫瘍量抑制傾向を認めた。マウス末梢血中の細胞障害性Tリンパ球に占めるWT1特異的CTLの割合はWT1ワクチン投与群で増加した。腫瘍増大が抑制された個体で腫瘍内浸潤リンパ球の検討を行ったところ、放射線照射なしの経口ワクチン群(N=6)ではWT1特異的CTLの割合は約0.3%であり、放射線照射併用では約0.7%であったが、目標としていた1-2%には届かなかった。

研究成果の学術的意義や社会的意義

WT1蛋白は種々の腫瘍で発現している汎腫瘍抗原である。WT1経口がんワクチンは投与方法が簡便で、腸管組織を介して全身性の免疫応答が期待できることから、がん治療の様々な場面での活躍が期待される。今回マウス脳腫瘍モデルを用いて抗腫瘍効果を検討した。脳は血液脳関門に守られた部位であり、他の腫瘍と比べ化学療法や免疫療法による治療が難しい。本ワクチンでも、末梢血中のWT1特異的CTLは増加し、放射線照射を併用することで一定の効果を認めたものの、腫瘍内浸潤リンパ球の割合は十分高いとは言えなかった。今後は他の治療法との併用、特にヘルパー機能を介した免疫賦活効果に注目し、治療効果を高めていくことを考えている。

報告書

(4件)
  • 2022 実績報告書   研究成果報告書 ( PDF )
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書

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公開日: 2020-04-28   更新日: 2024-01-30  

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