研究課題/領域番号 |
20K16440
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
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研究機関 | 金沢大学 (2022) 大阪大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
堀江 真史 金沢大学, 医学系, 准教授 (60732659)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | ELF3 / ATAC-seq / CUT&Tag / スーパーエンハンサー / ASCL1 / 肺小細胞癌 / マスター転写因子 / 個別化医療 / エピゲノム / エピジェネティクス |
研究開始時の研究の概要 |
肺小細胞癌(SCLC:small cell lung cancer)は悪性度の高い難治性癌であり、約30年間治療法が殆ど進歩していない。近年ではマスター転写因子の発現および転写制御パターンによる癌のサブグループ化の臨床的妥当性が示され、予後や治療応答性との関連が明らかにされてきている。申請者はマスター転写因子に基づいたSCLCの類型化について解析を行ってきた。本研究ではSCLCにおけるマスター転写因子ELF3に注目し、その機能および転写制御メカニズムの全貌を明らかにし、さらにELF3の病的意義やバイオマーカーとしての有用性を検討する。
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研究成果の概要 |
ELF3を高発現するSCLC等の3細胞株を用いて、ATAC-seqによるオープンクロマチン解析 、及びCUT&Tagによる網羅的ヒストン修飾解析を行い、ELF3がASCL1型のSCLCにおいてスーパーエンハンサー関連転写因子として機能していることを明らかにした。また抗ELF3特異的抗体を用いたCUT&Tag、及びsiRNAを用いたknockdown RNA-seqを行い、ELF3により制御される234遺伝子を同定した。さらにpathway解析やin vitro実験による検証を行い、ELF3ががん細胞の生存や細胞周期を制御し、悪性化に寄与していることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ELF3はASCL1型のSCLCではスーパーエンハンサー関連転因子として腫瘍促進的な役割を果たすことが示された。ELF3は膀胱癌や十二指腸癌ではがん抑制遺伝子として働いており、がん抑制促進の2面性を持つcontext-dependentな転写因子であることが本研究により明らかになった。
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