研究課題/領域番号 |
20K16452
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
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研究機関 | 埼玉医科大学 |
研究代表者 |
米田 竜馬 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (00734881)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | lncRNA / LLPS / FUS / m6A修飾 / TLS/FUS / 相分離 / cyclin D1 / 核酸医薬 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究ではlncRNAを基盤にした神経変性疾患に対する核酸医薬シードを開発することを目指す。神経変性疾患では神経細胞がアポトーシスを起こし発症へとつながる。その原因は多岐に渡るが、本研究では「cyclin D1の過剰発現」と「RNA結合タンパク質(RBP)の繊維化」に注目する。Cyclin D1は細胞周期を司る因子で、その過剰発現は神経細胞の細胞周期を再活性化しアポトーシスを誘発する。またRBPは繊維化することでアポトーシスへと導く。cyclin D1の発現とRBPの繊維化を同時に抑制する配列をlncRNAの中から見出し効果を検証することで、神経変性疾患の治療につながることが期待できる。
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研究実績の概要 |
本年度は、神経変性疾患の原因の一つとされる、FUSの細胞質での異常凝集体を分散させるRNA配列の同定、さらにその効果の検証を行った。RNA結合タンパク質であるFUSは、本来であれば核内で働くタンパク質であるが、変異やストレス、加齢といった要因で細胞質に局在を移す。その結果、液-液相分離を介して、細胞質で周りのタンパク質などを巻き込みながら、凝集体を形成する。この凝集体が蓄積することで細胞がアポトーシスを起こし、神経変性疾患へとつながると考えられている。細胞にストレスを与えFUSの凝集体を形成させる前後にRNAを添加すると、FUSの凝集体を分散させることができた。また、RNA修飾の一つであるm6A修飾の入ったRNAほど、FUSに結合しやすいという結果を得て、FUSのm6A修飾認識タンパク質との可能性についても検証した。FUSとRNAとの結合についての論文を1報、そしてFUSとRNAのメチル化クロストークについての発表を、第45回日本分子生物学会年会におけるワークショップで行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
RNAによるFUS凝集体の分散が、凝集体形成後にRNAを添加することによっても分散できることを明らかにできた。またFUSに結合する新たなlncRNAの探索を行った論文を共著者として発表した。ただ得られたRNA断片をより効果的にする修飾や配列の追加が思うように進まなかった。
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今後の研究の推進方策 |
本年度までの研究で、FUSと相互作用して細胞の増殖を抑えるRNA配列、そして逆に促進するRNA配列を得た。今後はこれらの配列の普遍性やその作用機序について細かく解析していく。
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