研究課題/領域番号 |
20K16496
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分51030:病態神経科学関連
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
辻岡 洋 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (20803505)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
|
キーワード | アストロサイト / 神経回路修復 |
研究開始時の研究の概要 |
中枢神経系損傷後にアストロサイトが発生期と類似した分子機構で神経回路修復を促進する可能性が指摘されているが、詳しいことはわかっていない。申請者はこれまで、新生児の高い神経回路修復能を規定する要因を見つけるため、マウス延髄錐体切断後の脊髄の遺伝子発現プロファイルを新生児と成体で比較し、アストロサイトに関わる遺伝子等の発現が異なることを発見した。本研究では、アストロサイトと神経細胞の共培養系やマウス延髄切断モデル、小型魚類の脊髄損傷モデル等を用い、上記遺伝子の機能解析を中心に、アストロサイトによる神経回路修復制御の分子機構の解明を目指す。
|
研究成果の概要 |
哺乳類の中枢神経系の損傷後には、代償的な神経回路が形成されることで部分的な機能回復が見られる。神経回路修復能は新生児の方が成体よりも高い。申請者はこれまで、マウス延髄錐体切断後に新生児と成体でアストロサイトに関連する遺伝子等の発現が異なることを発見した。本研究では、候補遺伝子の解析を中心に、アストロサイトと神経回路修復の関係を調べた。モノクローナル抗体の作製やノックアウトマウスを用いた解析、データベースを用いた解析等により、候補遺伝子は神経回路修復に関与する可能性のある、従来にない特徴を持った新規アストロサイトマーカーとして有用であることが示唆された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
アストロサイトと神経回路可塑性の関係は、視覚野の発生の研究等で近年着目されており、特異的なマーカー等、より詳細な解析を進めるために必要な基盤の開発が求められている。本研究では、候補遺伝子が神経回路可塑性に関与するアストロサイトのマーカーとなり得ることを発見し、解析に重要なツールを開発した。本研究で開発したツールはアストロサイトと神経回路可塑性の関係を解明するためのブレークスルーにつながる可能性がある。また、本研究を基盤としてアストロサイトと神経回路修復の関係の研究が進めば、将来的に、中枢神経系損傷の新規治療法開発につながる可能性がある。
|