研究課題/領域番号 |
20K16500
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分51030:病態神経科学関連
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
小泉 崇 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (50867455)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 高血圧性脳小血管病 / ミクログリア / 神経炎症 / 高血圧性脳血管障害 / 血管周囲マクロファージ / 血管周囲ミクログリア |
研究開始時の研究の概要 |
高齢社会において認知症発症/進展予防法の確立は重要な課題である。認知症の中で血管性認知症はアルツハイマー病に次いで患者数が多く、その主要因は脳小血管病と言われている。疫学的には高血圧は脳小血管病の重要なリスクファクタ―である事は明らかにされているがその発症機序についてはいまだ不明な点が多い。申請者は血管周囲マクロファージとミクログリアという脳内炎症担当細胞に着目し、活性化したこれらの細胞が脳小血管構造破綻に関与している事を明らかにする事を目的としている。本研究で得られる結果は高血圧性脳血管障害のメカニズム解明およびそれをターゲットにした新しい治療法開発に発展することが期待される。
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研究成果の概要 |
本研究の目的は、高血圧により引き起こされる脳小血管障害における血管周囲ミクログリアの関与の解明である。まず慢性高血圧モデルラットを用い、血圧上昇過程で変化する遺伝子を網羅的に解析した。その変化する遺伝子群中で血管周囲へとミクログリアを引き寄せうる候補遺伝子Xを選定した。次に免疫組織学的に評価により分子Xの発現細胞が血管内皮細胞とアストロサイトであること、ならびにその受容体Xがミクログリア上で経時的に増加することを確認した。また培養細胞を用いた化学走化性試験により分子Xがミクログリア遊走に関わる事を確認した。本研究結果から分子Xを介してミクログリアが血管周囲へと引き寄せられる事が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
高血圧性脳小血管病は血管性認知症を引き起こし得る。高齢化社会における認知症発症予防は喫緊の課題であり、高血圧性脳小血管病は予防可能な疾患となりうる。しかしながら、その発症メカニズムには不明な点も多く、単純に降圧治療を行っただけでは進行が予防できない事がある。これまでの報告並びに我々の研究結果から、高血圧性脳小血管障害には神経炎症が関わっている事が示唆される。さらに本研究結果から分子Xが神経炎症を引き起こすきっかけである可能性がある。引き続き分子Xの関与を詳細に調べることで高血圧性脳小血管病発症予防、ひいては認知症予防のための新たな治療ストラテジーを提供できることが期待できる。
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