研究課題/領域番号 |
20K16547
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52010:内科学一般関連
|
研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
金重 里沙 山口大学, 大学院医学系研究科, 助教 (30844104)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
|
キーワード | 抗リン脂質抗体症候群 / 抗リン脂質抗体 / CD14抗原 / 好中球細胞外トラップ / フローサイトメトリー / ELISA / CD14 / 抗カルジオリピン抗体 / 抗β2-グリコプロテインI抗体 / 抗カルジオリピン/β2-グリコプロテインI抗体 / 抗ホスファチジルセリン/プロトロンビン抗体 |
研究開始時の研究の概要 |
抗リン脂質抗体症候群(APS)は血中に抗リン脂質抗体が出現することにより、動・静脈血栓症や妊娠合併症といった多彩な合併症を引き起こす自己免疫疾患である。抗リン脂質抗体にはいくつかのタイプが存在し、単一の抗リン脂質抗体を保有する患者群よりも複数種の抗リン脂質抗体を保有する患者群において重篤な合併症が引き起こされやすいことが明らかになっているが、その詳細は不明のままである。 本研究では、患者血中に出現する抗リン脂質抗体の組み合わせの違いによる病態発症機序の解明を目的に、各種抗リン脂質抗体の血栓形成作用ならびに細胞障害作用の解明に関する検討を行う。
|
研究成果の概要 |
本研究は抗リン脂質抗体(aPL)による種々の血栓形成・細胞障害作用の解明を目的とし、患者血漿からアフィニティー精製した各種IgG-aPLと独自に開発したヒト単核球/多核顆粒球培養実験系を用いて検討した。 本研究成果より、炎症性サイトカインがaPL による単球表面組織因子(TF)発現に対してポジティブのプライミング作用を有することに加え、aPLによる単球TF発現にCD14抗原が関与している可能性を見出した。さらに、aPLが好中球細胞外トラップ(NETs)形成を引き起こす可能性を明らかにした。APS患者では、aPLによりNETsや単球表面TF発現を中心とする血栓形成作用が増幅されると推測できる。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
aPLにより引き起こされる、単球表面 TF 発現による外因系凝固の活性化や血管障害・血管炎症に関与するNETs形成促進作用は、APSにおける動・静脈血栓症発症機序の中心的な役割を担っていると推測される。 本研究において、aPL刺激による単球表面TF発現に関与している細胞表面レセプターを解明するとともに、TF発現が炎症性サイトカインにより増強されること、好中球が関与する血栓形成作用(NETs形成)についても明らかにした。本研究成果はAPSの病態発症機序の解明に繋がるのみならず、新たな治療戦略のエビデンスとなる可能性が期待される。
|