研究課題/領域番号 |
20K16605
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52020:神経内科学関連
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
大道 卓摩 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任助教 (60869288)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | ロイシンリッチα2グリコプロテイン / パーキンソン病 / 血液バイオマーカー / ゾヌリン / ホスホグリセリン酸キナーゼ / カフェイン / 多系統萎縮症 / 脳細胞由来エクソソーム / エクソソーム / 進行性核上性麻痺 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の概要は、ヒト血液中にある脳細胞由来のエクソソーム(細胞内分子を細胞間の運搬や細胞外への排出を担う40-100nmの微小小胞)を定量化する方法を確立し、実際のヒト血液検体を用いて、脳細胞由来エクソソーム量やエクソソーム内に含まれる特異的な蛋白を測定することで、臨床症状が出現する前からパーキンソン病、多系統萎縮症、進行性核上性麻痺を診断できる血液バイオマーカーを確立する研究である。さらに、脳細胞由来エクソソームを血漿から分離する測定方法を確立し、エクソソーム量が多施設で測定できるように標準化することで日常臨床で使用できるにすることを目標とする。
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研究実績の概要 |
当該研究の目的の1つの『パーキンソン病(PD)およびパーキンソン症候群(PS)のヒト血漿中脳細胞由来エクソソームに含有される疾患特異的蛋白の測定』において、疾患特異的候補分子の同定に取り組み、1つの研究内容を論文投稿し、1つの研究を実施している。 PDの炎症性マーカーとして、Leucine-rich α2 glycoprotein (LRG)の測定を前年度実施した。PD患者群および疾患対照群において、血清中の濃度測定を実施した。結果として、PD群では、疾患対照者群より、PDの背景因子(年齢、併存症、血清CRP濃度)に因らず、血清LRG濃度が高いことが証明でき、LRG濃度はPDの重症度(Hoehn & Yahr分類、MDS-UPDRS part III)と有意に相関することを報告した。この内容は、国際雑誌に掲載された。 診断マーカーになることを証明した。この内容は現在、国際雑誌への論文投稿中である。 第二として、PDの腸管バリア機能の指標として、血清中のzonulinに注目し、PD患者および対照者の血清濃度を測定した。結果としては、PD群と疾患対照群との間に有意差は認めず、臨床パラメーターや他のサイトカイン(TNF-α, IL-13, IL-4, IL-10, IL-6, IL-2, TNF-β, IFN-γ, IL-12p70, APRIL, BAFF, sCD40L)の血清中濃度と有意な相関は認めなかった。しかし、対照群におけるzonulinとLRGやCRPとの相関は認めており、他の炎症性マーカーと組み合わせることで、PDにおける腸管炎症のマーカーの1つとなる可能性も示唆された。この内容は国内学会での報告を予定している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ヒト血漿中の脳細胞由来エクソソームの定量について、『脳細胞由来エクソソーム量の定量 系の確立』と『PDとPS患者血漿における脳細胞由来エクソソーム定量系を用いた検討』を予定し、脳細胞由来エクソソーム量を測定するための、PD/多系統萎縮症(MSA)/進行性核上性麻痺(PSP)患者および疾患対照者から末梢血血漿の採集を前年度に引き続きすすめられた。しかし、採集サンプルを、エクソソーム分離と抽出について、研究協力者の異動に伴い、実験および解析に着手できず、エクソソーム分離およびバイオマーカー開発が完遂できていない。研究の1つの目的であり『パーキンソン病(PD)およびパーキンソン症候群(PS)のヒト血漿中脳細胞由来エクソソームに含有される疾患特異的蛋白の測定』については、前年度から引き続き着実に候補分子を同定を継続できている。
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今後の研究の推進方策 |
PDおよびPSのヒト血漿中脳細胞由来エクソソームに含有される疾患特異的蛋白の測定』については、エクソソーム領域の研究が急速に進展しているため、脳神経由来エクソソーム含有蛋白として、従来の研究計画に記載したバイオマーカー(α‐シヌクレイン、αーシヌクレインオリゴマー)だけでは新規性に乏しい。新たなバイオマーカーとして、血清/血漿カフェイン、カフェイン代謝産物、血清/血漿炎症性マーカー(腸管炎症マーカーを含めた)、エネルギー産生酵素活性測定など、多様な候補バイオマーカーについて、当該研究のコホート内でパイロット的解析を進めている。血清LRG濃度測定については、炎症性腸疾患では保険収載されており、大規模サンプルでの検討を予定している。ゾヌリンの測定は、当研究室独自の測定法であるが、標準化できる方法を開発していく。
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