研究課題/領域番号 |
20K16614
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52030:精神神経科学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
梶田 裕貴 東北大学, 医学系研究科, 助手 (00791849)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | GABA / てんかん / ソマトスタチン / キンドリング / 不安 / 行動実験 / ラット / GABA / 不安様行動 / 不安障害 / GAD65 |
研究開始時の研究の概要 |
GABAによる神経発火の抑制は正常な脳機能の維持に不可欠であり、その異常は不安障害やてんかん発作などの疾患の原因となると考えられる。連続電気刺激(ECS; ECTの動物モデル)とキンドリング刺激は共に、脳に刺激を繰り返すことで、脳内変化を引き起こすことが目的であるが、GABA神経に対する効果は背反であり、その理由は不明である。 本研究ではECSとキンドリング刺激による効果の違いが何によって生じるのかを明らかにすることで、より副作用の少ないECT開発や、てんかん発作の原因解明を目指す。
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研究成果の概要 |
ペンチレンテトラゾール(PTZ)を用いたキンドリングは、短期間で、一過性に痙攣抵抗性を誘導したが、長期間投与すると痙攣抵抗性は消失した。痙攣抵抗性を示したラットの海馬CA1では、ソマトスタチン陽性細胞においてGAD65が増加した一方で、GAD67、GABA受容体やトランスポーターには顕著な変化は見られなかった。長期間投与ではGAD65発現はコントロール群と同程度まで戻った。行動実験では短期間のPTZ投与で不安様行動が減少していることが、オープンフィールド試験、明暗箱試験、高架式十字迷路試験で、明らかになった。この抗不安効果は長期投与後では見られなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本来てんかん原生の獲得や不安様行動の増加に働くと思われているPTZキンンドリン刺激が短期間では寧ろ、癲癇抵抗性や抗不安効果をもたらすことが明らかになった。 これは臨床でうつ病治療などに用いられる電気痙攣療法に似た現象と考えられる。電気痙攣療法は抗うつ薬などでが効かない重篤なうつ病患者に用いられる有効な治療法ではあるが、その作用機序は分かっていない。今回、我々が見つけたソマトスタチン陽性細胞におけるGAD65発現の増加はその機序解明の足掛かりになると考えられる。また、同療法によるてんかん事故などを防ぐためにも有用である。
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