研究課題/領域番号 |
20K16632
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52030:精神神経科学関連
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研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
向井 馨一郎 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (70739218)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 強迫症 / 近赤外線スペクトロスコピー |
研究開始時の研究の概要 |
本研究課題は、強迫症のサブタイプであるチック関連強迫症に関する研究、および、強迫症における近赤外線スペクトロスコピー(NIRS)による脳血流評価に関する研究など、申請者らの独自の研究成果を踏まえ、チック関連性強迫症の診断法and/or治療反応性予測法としてのNIRSの有用性を検証することを目的とする。本研究課題が首尾よく終了した後は、本課題で着手した臨床レベルの有用性実証研究を継続・発展させることにより、強迫症の診断および治療選択におけるNIRSの補助的診断ツールとしての確立を目指す。
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研究実績の概要 |
強迫症の多様性を、症候学的特徴、臨床症状の相違、薬物治療への反応性など多角的視点にて、症例報告や臨床研究の形で知見の集積を行った。また、その内容を学術誌への投稿や学会での発表を積極的に発信している。本研究の主題であるNIRSによるチック関連強迫症の脳血流変化に関しては、Psychiatry and Clinical Neuroscienceに掲載された。その中で29名の強迫症患者をチック障害の既往の有無により2群(TD(+)、TD(-))に分け、健常者を比較したデータを報告した(Mukai, et al. 2020)。VFT、および、ToLにおける前頭極の脳血流変化量は、強迫症の2群で有意な差を認めた。TD(+)群におけるToL施行中の背外側前頭前皮質の脳血流変化量が強迫行為の重症度に直接的な影響を与え、TD(-)群においては強迫観念の重症度がDLPFCの脳血流変化量に影響を及ぼしていた。これらは、前頭極の脳血流は課題により相違があり、DLPFCはTDの既往の有無により強迫症の症状に異なった形で関与している可能性を示唆するものであった。 また、強迫症の重症度尺度であるYBOCSで評価し、強迫症患者を寛解群と重症群に分け、健常群とNIRSの血流変化量の比較を行っている。これは生物学的精神医学会に研究報告を行い、若手研究者育成プログラム奨励賞を受賞している。 さらに、初診の強迫症患者におけるNIRSを施行後の標準的治療における観察研究のデータが集まり、強迫症の多様性や薬物療法の施行の有無、symptom simensionによる割付などを行い、多角的視点から強迫症におけるNIRSの有用性および治療反応性予測での活用方法などを調査・検討を行っている。これらの研究結果に関しては、今後の学会での報告、英語論文作成を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画通りである。
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今後の研究の推進方策 |
今後もデータの蓄積に励み、これらのデータをもとに積極的に複数の学会にて報告を計画している。
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