研究課題/領域番号 |
20K16642
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52030:精神神経科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
里村 嘉弘 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 准教授 (40582531)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 小児期逆境的体験 / ACEs / トラウマ / 大うつ病性障害 / 気分障害 / 統合失調症 / NIRS / MRI / うつ病 / 小児期逆境体験 |
研究開始時の研究の概要 |
ACEsはうつ病の発症や経過に影響を及ぼすが、その生物学的背景は明らかではない。また、国際的に用いられているACEs尺度は、いずれも客観的なコンセンサスが得やすいストレスイベントを検出するにとどまったものである。本研究では、ACEsを外界対象と個体内在化経路により分類し、包括的かつ精緻な新規ACEs他者評価指標の開発を行う。この指標を用いて、ACEsの質的な分類と、縦断経過を含めたうつ病の臨床像との関連を調査する。さらに、NIRSとMRIを相補的に用い、ACEsに関連したうつ病の生物学的基盤を探索し、うつ病の予防、治療、予後予測の戦略向上や、うつ病の新たなサブタイプの同定に寄与すること目指す。
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研究成果の概要 |
小児期逆境的体験(ACEs)について、外界の対象や原因と、個人に内面化された経路や様式を考慮した、後方視的調査用の他者評価指標(RC-ACEE)を開発し、信頼性・妥当性を検証した。うつ病、双極性障害、統合失調症のある患者において、疾患に関わらず約半数でACEsが存在し、特に同世代・兄弟から受ける逆境体験が多く、男性に比べて女性において多いことが示された。また、NIRSとMRIを用いた検討により、うつ病と統合失調症のある患者において、ACEsの存在が脳機能や構造の変化に関与しており、逆境体験の様式によりその変化が異なる可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で開発したRC-ACEEは、医療情報をもとにACEsを定量化することが可能であり、既存の指標と比較してより高い解像度で評価できるツールである。この指標により、量的・質的に異なるACEsによる精神疾患の発症や経過への影響やその脳基盤についての今後の研究のさらなる発展が期待される。
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