研究課題/領域番号 |
20K16656
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52030:精神神経科学関連
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
野上 毅 日本医科大学, 医学部, 講師 (30701940)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | うつ病 / ECT / ドーパミントランスポーター / PET / 電気けいれん療法 / ドパミン / ドーパミン |
研究開始時の研究の概要 |
電気けいれん療法は、うつ病において最も効果のある 治療法の一つであるが、治療後に薬物療法等の維持療法を行わないと高率で再燃するとの報告がある。過去の我々のPET研究からECT治療の直後の評価でドーパミン神経伝達系が重要な役割を持つことを示唆したが、今回[18F]FE-PE2Iを用いてECT治療後のDAT機能をPETにより経時的に評価し、うつ病の症状の変化との関連を調べることにより、ECTの作用機序やうつ病の治療効果に対する病態解明に寄与することができると考える。
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研究成果の概要 |
女性のうつ病患者4名、平均年齢75歳が対象となった。被検者の内訳は、①ECT施行後7.8カ月、37.1カ月、53.3カ月後、②ECT施行後46.9カ月であるが、うつ病の再発によりECTを予定している患者、③ECT施行後10.7カ月であるが、うつ病の再発によりECTを予定している患者、④過去にECT施行歴がないが、ECTを予定しているうつ病患者であった。 線条体におけるドーパミントランスポーター結合能は、①でそれぞれ1.41、1.53、1.65(HDRS:19点、20点、18点)、②で1.41(HDRS:23点)③で0.82(HDRS:20点)④で0.72(HDRS:20点)であった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
我々が過去に行った研究では、ECT施行前後でDAT結合能は有意に減少することを示しているが、今回の結果では、ECTを行ってから時間が経過するに伴い、DAT結合能が増加することが示唆された。一方で、ECT未施行や1年未満のうつ病患者のDAT結合能は低かった。我々が行った別の研究では重度のうつ病患者では健常者と比較しDAT結合能が低下することを報告しており、このことから、ECT未施行または1年未満と経過時間が短い場合はDATの低下が持続している可能性が考えられた。今後のうつ病に対するECT治療に対する病態や治療経過を予測するうえで貴重な所見であると思われる。
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