研究課題/領域番号 |
20K16672
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52030:精神神経科学関連
|
研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
高松 岳矢 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (90801431)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
|
キーワード | 双極性障害 / iPS細胞 / うつ病 / 病態生理 / カルシウムイメージング / リプログラミング / 疾患モデル / 神経細胞 / 精神疾患 / モデル細胞 / 創薬 / カルシウム / 疾患iPS / 気分障害 / ミトコンドリア / ライブイメージング / 病態モデル |
研究開始時の研究の概要 |
双極性障害の病態を解明するため、病態をin vitroで再現できるiPS細胞モデルの開発が期待されている。しかし、双極性障害の特徴である「周期性」や抗うつ薬による「誘発性」に着目した報告はない。これまで我々は強い遺伝要因が想定される双極性障害多発家系由来のiPS細胞を樹立し研究を行ってきた。本研究では家系由来iPS細胞から、細胞内Ca2+を簡易にモニターできるCa2+可視化双極性障害iPS細胞株を作成し、セロトニン作動性神経細胞と大脳皮質興奮性神経細胞の①自発発火頻度の継時変化、②神経伝達物質による反応を検証する。将来的に創薬・病態研究に直結する双極性障害の病態モデル細胞の創出を目指す。
|
研究成果の概要 |
双極性障害の病態研究を目的として、双極性障害の多発する家族の患者からiPS細胞を作成し、培養室で神経細胞に分化させた。細胞内カルシウムイオン濃度をイメージングする手法を行った結果、双極性障害患者由来の神経細胞は健常者に比べて神経活動の頻度が亢進していた。今回は技術的な問題や新型コロナウイルス感染症の影響が重なり、研究期間内に神経活動の長期間の解析ができなかったが、今後は電気的な手法での解析も組みあわせ、双極性障害患者由来の神経細胞の神経活動の詳細を明らかにしていく。 また双極性障害iPS細胞をリソースとして共同研究に活用できるよう、国際誌に公開した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
双極性障害の原因や病態生理はほぼ不明で、病態解明や治療薬開発の手がかりとなるツールも乏しい。そこでiPS細胞を培養室で神経細胞などの脳を構成する細胞に分化させ、患者の生きた細胞による病態研究が期待されている。しかし、双極性障害患者のiPS細胞由来神経細胞がどのような異常を示すかはまだよくわかっていない。本研究では、双極性障害の患者から作成した神経細胞は健常者に比べて神経活動の頻度の亢進を示した。この細胞は双極性障害の貴重な細胞モデルとして、将来的に病態研究や治療薬開発に貢献する可能性がある。本研究は双極性障害病態研究の基盤形成の一段階として、大きな意義をもつ。
|