研究課題
若手研究
川崎病で発生する冠動脈瘤は、時に瘤内に血栓を形成する。MRIを使用した血管壁イメージングは、血栓の有無、血管壁の性状を非侵襲的に評価する方法として注目されている。 申請者らは川崎病性冠動脈瘤において血流の状態によっては壁肥厚や血栓と見分けがつかないアーチファクト(偽像)を発生させることがあり、血管壁の性状を正確に描出できないことを明らかにした。そこで本研究において、位相補正反転回復法(phase-sensitive inversion-recovery: PSIR)にT2プレパレーションパルスを組み合わせる新規撮像法によって、アーチファクトのない冠動脈血管壁イメージングの確立をめざす。
川崎病の重要な後遺症である冠動脈瘤に対する血管壁MRIの改善を目指した。従来法である高速スピンエコー法は、血流状態により血栓様のアーチファクトが生じ、血管壁の正確な評価が困難な場合がある。そこで、位相補正反転回復法にT2プレパレーションパルスを組み合わせた冠動脈用のT2PSIR-SSFP法を開発した。9例22血管部位を対象に、高速スピンエコー法と比較した。その結果、血管壁の描出能の定性評価において、T2PSIR-SSFP画像の方が良好に描出された。血管内腔面積の定量評価においてもT2PSIR-SSFP法がより再現性の高い結果が得られ、血流状態に依存しない血管壁MRIの実現可能性が示唆された。
MRIを用いた血管壁イメージングは、血栓の有無や血管壁の性状を非侵襲的に評価する手法として注目されている。冠動脈用に開発したT2PSIR-SSFP法は、血流状態に依存しない血管壁MRIの手法として、実現可能性が示唆された。川崎病性冠動脈瘤の血管壁MRIの画質改善を通じて、正確な診断方法の確立に寄与し、川崎病後遺症患者の管理が改善することが期待される。
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