研究課題/領域番号 |
20K16694
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
川嶋 広貴 金沢大学, 保健学系, 助教 (70775577)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | コンピュータ断層撮影 / 高解像度 / 四肢 / computed tomography / CT / 骨梁 |
研究開始時の研究の概要 |
汎用型CTシステムにおいて解像度を向上させる上で、被写体と検出器が離れる「拡大ジオメトリ」が問題となる。そこで、新たな高解像度化手法の提案として「近接ジオメトリ型の超高解像度CT」の基礎技術をこれまの研究で開発した。本研究ではこれらを臨床応用につなげるための技術開発として、ⅰ) ヘリカルスキャンによるデータ収集、ⅱ) 安全性を高めるためのガントリ製作、ⅲ) 臨床的有用性の評価、ⅳ) 超高解像度デュアルエネルギー画像解析を実施する。この応用技術開発を通じて、骨髄レベルでの画像情報を提供することができれば、四肢の画像診断に変革をもたらす可能性がある。
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研究実績の概要 |
被写体に検出器を近づける”近接ジオメトリ”型の高解像度CTについて,臨床使用のための応用技術開発を進めている.当初案では,汎用型のCT装置の検出器部分の上に高精細検出器システムを構築する方法について,ヘリカルスキャンを実現し,撮像範囲を拡大することで臨床的有用性を高められると考えていた.この手法では,高解像度イメージングに必要な優れた画質特性(面内および体軸方向の解像特性,ノイズ特性,信号対雑音比など)を確認できたが,既存のCT装置に手を加える必要があり,汎用性に乏しく,今後の発展には限度があると判断した.そこで,新たな近接ジオメトリ型の高解像度CTとして,既存のCT装置を必要としない,独立したCT装置としての構築を目指すこととした.この独立型のCTシステムでは,X線管と回転機構を有したガントリを製作する.これにより,近接ジオメトリ型高解像度CTとしての臨床応用がより期待できる. 独立型CTシステムの構築については,既に予備実験を終えており,基礎的な技術や知識を有していたが,装置の再構築を行う必要性があった.そこで,今年度は,ガントリ部の再設計・再構築を中心に検討を進めた.また,整形外科医師等から,本システムの臨床的有用性や対象疾患についての情報収集を行った.この際に,CTシステムの構築において,可動性・安定性についての要望や撮像時の患者体位の柔軟性について,意見を頂戴した.これを基に,開発システムの構築を行い,臨床応用への発展を目指す.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究課題において,当初案であった既存のCT装置を用いた方法について「ヘリカルスキャン技術」「専用ガントリの構築」「画質計測」については実施済みである.その後,より現実的な発展を目指すために,独立型のCT装置としての開発を進めている.今年度は,ガントリ部の安定性の確認やステッピングモータによる回転機構の調整,X線検出器およびX線管の土台部分の再設計を行ったが,微調整および部品の調達に時間を要した.
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今後の研究の推進方策 |
独立型のCTシステムについて,解像特性や信号対雑音比といった物理的な画質計測データを取りまとめ,他のCT装置との比較を通じて,開発システムの有用性を示す.また,四肢の模擬人体等による画像評価により,骨梁構造の描出やCT値の正確性に焦点を当て,四肢の画像診断における臨床的有用性の検証を行う.
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