研究課題/領域番号 |
20K16703
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
岩佐 瞳 高知大学, 教育研究部医療学系臨床医学部門, 助教 (90566499)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 慢性外傷性脳症 / FDG-PET |
研究開始時の研究の概要 |
近年、頭部外傷の分野ではコンタクトスポーツによる反復性軽度頭部外傷から一定の期間を経てみられる進行性の神経変性疾患である慢性外傷性脳症が注目されている。精神症状や認知機能低下、パーキンソニズムなどが出現し、神経病理学的には神経原線維変化などのタウ病変によって特徴付けられる。現在のところ生前に診断する方法は確立されておらず、客観性の高い早期診断方法が求められている。脳FDG-PETはアルツハイマー病など変性性認知症の早期診断・鑑別診断に有用であることが知られており、反復性軽度頭部外傷歴がもたらす脳代謝異常を明らかにすることで、慢性外傷性脳症の予知が可能となり、早期治療の確立につながると考える。
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研究成果の概要 |
近年、頭部外傷の分野で慢性外傷性脳症が注目されているが、現時点での診断は剖検に頼るしかなく、生前に診断する方法は確立されていない。また、臨床診断を行うにしても客観的な診断法がないため、典型的な症状が出現した時点で既に病変が進行しているケースが多い。 本研究では当初は慢性外傷性脳症における脳代謝異常をFDG-PETで明らかにすることにより、慢性外傷性脳症の予知や早期治療の確立につなげることを目標としていたが、被験者のリクルートが難しく、まずは健常者における脳FDG-PETの正常像を知るため脳疾患の既往ならびにコンタクトスポーツの経験がない受診者を年代別に分けてデータを収集、解析を行った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
慢性外傷性脳症の画像診断に関する研究としては、タウ病変の可視化を目的としたタウイメージングPETを用いた研究が散見されるものの、まだまとまった報告はみられない。このタウイメージングPETは研究段階であり、実施できるのはごく少数の施設に限られる。その一方で、本研究では現在国内で広く普及している糖代謝イメージングであるFDG-PETに着目した。 本研究ではまず健常者における脳内の糖代謝の低下の程度とそのパターンを評価した。今後はその結果を踏まえてコンタクトスポーツ経験者の脳糖代謝の測定、健常者との比較検討を行い、脳MRIやMMSEなどの認知機能検査も併せて評価したいと考えている。
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