研究課題/領域番号 |
20K16719
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
岡野 奈緒子 群馬大学, 重粒子線医学推進機構, 准教授 (00647349)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 心不全 / 放射線治療 / 重粒子線治療 / 炭素イオン線 / 放射線照射 / マウス |
研究開始時の研究の概要 |
X線および重粒子線の一つである炭素イオン線による心臓への影響及びそのメカニズムについて、未だ未解明の点が多いが、本研究ではその中でも炭素イオン線の心臓への影響、特に心不全状態の心臓への影響もしくは治療効果について後述の実験で明らかにする。 ①放射線治療により、心不全は改善するのか。悪化するのか。 ②X線と炭素イオン線を用いた場合で、効果に違いはあるのか。 ③照射後の分子生物学的メカニズムの解明。
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研究成果の概要 |
TAC手術を行うことで心不全モデルを作成することができた。処置後2週間程度で心不全状態となっていることを確認した。TAC群では、2週、4週、8週いずれの時点でも、コントロール群と比較して心機能の低下、心重量の増加、線維化が見られた。また、TAC群に対してX線もしくは重粒子線の照射を加えた場合には、心機能の改善が見られた。心重量や線維化については有意差は見られなかったがわずかに改善する傾向は見られた。コントロール群においては、X線もしくは重粒子線の照射により心機能の悪化や心重量・線維化の増悪は見られず、確認した期間では経時的な悪化もなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来は心臓への照射はリスクがあり、心臓へのダメージの懸念から治療上の配慮をすることが一般的であったが、今回の結果では少なくとも短期的には心臓、特に心筋への影響は限定的である可能性が示唆された。また、心不全などの病的心臓についても、照射が加わることで症状が悪化することを懸念していたが、少なくとも悪化を助長するものではない可能性が示唆された。これらのことから、必要以上に心臓への影響を懸念して腫瘍に対する治療強度を安易に下げることは必ずしも正しくはないかもしれない。病的心臓に対して治療効果があるかどうかは今後の検討を要する。
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