研究課題/領域番号 |
20K16739
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
谷 瞳 日本医科大学, 医学部, 非常勤講師 (20809636)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 乳房デジタルトモシンセシス / 乳房 / デジタルトモシンセシス / デジタルマンモグラフィ / 画像診断 / 乳癌 / マンモグラフィ / synthetic mammography |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、DBT撮像データから再構成したSMの画質を検討することで、SMの臨床応用に向けての研究を行う。具体的には最初に基礎的なファントム実験を行い、画質評価による従来のDMとの特徴・違いを検証する。さらに乳腺密度、画像所見、組織学的所見の異なる条件を含めた臨床症例において画像評価を行い、診断精度を比較するとともに、SMの臨床使用について検討する。
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研究成果の概要 |
乳房デジタルトモシンセシス(DBT)および合成2D画像(SM)の画像特性・診断精度を基礎・臨床の両側面から検証した。PMMAファントム実験により、従来のデジタルマンモグラフィ(DM)撮影とSM撮影では同様の特性を持ち、両撮影方法は基礎実験での画質評価に差異を示さないことが確認された。DBTから得られたSM画像は、DM画像と同等またはそれ以上の病変描出能があり、石灰化乳癌や密度の高い乳房組織の可視性スコアでDMよりも優れていることが示された。また、DBTとSM画像を比較した臨床検査において、AIを併用した場合の診断精度が放射線科医のみの場合と差がなく、読影時間が有意に減少することが確認された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
乳房デジタルトモシンセシス(DBT)は、従来のデジタルマンモグラフィ(DM)よりも正確に乳癌を検出し、偽陽性を減少させる。しかし、DBT+DMを併用すると被曝量が増加し、導入が躊躇されることがある。本研究成果からは、合成2D画像(SM)がDM画像と同等の臨床的有用性を持つことが示されており、SM画像を使用したDBT単独での乳癌診断の可能性が示唆された。今後、被曝量の抑制によってDBTの臨床導入が促進されれば、SM画像を用いた乳癌診断が普及し、乳癌検出率の向上や特異度上昇による不必要な精密検査の減少によるプログラムコストの減少、不要な心配や苦悩を経験する女性も減少する等の社会的貢献が期待できる。
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