研究課題/領域番号 |
20K16749
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
田中 円葵 弘前大学, 医学部附属病院, 助教 (60814291)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | Dual Energy CT / ヨード密度腫瘍体積 / 非小細胞肺癌 / 定位照射 |
研究開始時の研究の概要 |
高齢、合併症などの理由で手術困難な肺癌患者が増加しており、早期肺癌では手術に代わる治療法として体幹部定位放射線治療が行われている。治療成績は良好だが、それでも10人に1人は再発をきたす。Dual-energy CTを用いて造影CTを撮像すると肺癌のヨード密度を測定することができる。ヨード密度は腫瘍の血流を反映しており、血流が低下した腫瘍では放射線治療が効きにくいことが解明されている。肺癌の血流をヨード密度を用いて測定し、放射線の効きにくい低ヨード密度腫瘍体積やその割合と放射線治療の効果を比較検討することで、放射線が効きにくい肺癌の特徴を知り、治療成績の向上に繋げることが本研究の目的である。
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研究成果の概要 |
Dual-energy CTを用いた造影CTで得られる腫瘍ヨード密度の値から放射線治療後の局所再発率を高精度に予測することを目的に本研究を行った。本研究では腫瘍ヨード密度とその面積に着目した。低ヨード密度面積割合が65%未満群および65%以上の群で3年局所再発率を比較したところ、それぞれ4.0%および14.7%であった。低ヨード密度腫瘍面積割合が大きい腫瘍では放射線治療後の再発率が高く、有用な予後指標であることが明らかになった。低ヨード腫瘍面積割合が大きな腫瘍では放射線抵抗性の要因である低酸素細胞の割合が大きく、放射線照射後の再酸素化の効率が落ちることが影響しているのではないかと考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
肺癌は、我が国のがん死亡数の第1位である。高齢や合併症により手術不能な症例が近年増加傾向にあり、定位体幹部放射線治療 (SBRT) が代替治療として行われている。SBRT後の局所制御率は90%と良好であるが、10%では局所再発をきたし、更なる治療成績向上が求められる。本研究では治療開始前にdual-energy CTを用いて造影CTを撮像することで、治療開始前に予後予測ができる可能性を見出した。局所再発率が高い症例において放射線治療の総線量・分割回数の変更や、免疫チェックポイント阻害剤・温熱療法・高圧酸素療法の併用等による治療成績の向上の研究に今後繋げるための基礎研究である。
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