研究課題/領域番号 |
20K16771
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
澤田 将史 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (10824948)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 放射線治療 / 放射線増感作用 / ミトコンドリア / マイトファジー / 膵癌 / 放射線感受性 / クロロキン |
研究開始時の研究の概要 |
膵がんは最も予後不良な悪性腫瘍の一つであり、放射線治療への感受性が乏しい腫瘍である。膵がん細胞はミトコンドリアを自己貪食するマイトファジーが亢進していることが知られており、放射線感受性の低下の原因としてミトコンドリア由来の活性酸素種の減少が関与している可能性がある。そこで本研究ではマイトファジーの阻害剤の放射線増感効果を検証し、膵がんの新たな治療戦略を創造を目指す。
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研究成果の概要 |
膵癌において、マイトファジーの亢進によりミトコンドリア量の低下や嫌気的解糖系の亢進が報告されており、それによるミトコンドリア由来の活性酸素種の減少や低酸素が放射線抵抗性の原因の一つである可能性がある。そこでマイトファジーを阻害することで放射線感受性を向上できるのではと考えた。 膵癌細胞において、放射線照射によりマイトファジーの亢進が示唆された。しかし、大気圧あるいは低酸素におけるcolony formation法、sphere formation法を行いマイトファジー阻害による放射線増感効果を検討したが、明らかな増感効果を示すことはできなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
膵がんは予後不良な悪性腫瘍の一つであり、放射線抵抗性であることが知られている。周囲に放射線感受性の高い正常組織が近接しており、物理的な放射線照射技術の進歩をもってしても放射線による局所制御は困難である。 本研究において放射線照射によりマイトファジーが亢進されることが示唆された。近年は放射線治療だけでなく殺細胞性抗がん剤や免疫チェックポイント阻害薬含む広範な抗癌治療の分野においてミトコンドリア活性による治療増強効果が報告されてきており、本研究で得られた知見は今後の放射線治療を含めた集学的治療の発展に寄与する可能性があると考えている。
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