研究課題/領域番号 |
20K16775
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 一般財団法人脳神経疾患研究所 |
研究代表者 |
加藤 亮平 一般財団法人脳神経疾患研究所, 南東北がん陽子線治療センター, 研究員 (90867566)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 陽子線治療 / 放射化 / モンテカルロ / モンテカルロシミュレーション / 歯科金属 / マウスピース |
研究開始時の研究の概要 |
陽子線はその物理的な特長により、従来のX線より優れた線量分布を作ることができる。しかし、口腔癌に対して陽子線治療を行う場合、口腔内に金属等が存在するとその影響はX線よりも大きい可能性がある。また陽子線による歯科金属の放射化によって、口腔内粘膜の線量増加も懸念される。しかし陽子線治療における歯科金属の影響は十分に評価されておらず、不明な点が多い。そこで本研究では、歯科金属が陽子線治療の線量分布に及ぼす影響を明らかにし、金属の放射化による線量増加を定量的に評価することで、口腔癌に対して安全で効果的な陽子線治療を行うための基盤データの構築を図る。
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研究成果の概要 |
陽子線治療において、患者体内に存在する金属は線量分布を擾乱させることが広く知られている。しかし、これらの金属は陽子線によって放射化する可能性があるが、その影響について未だ解明されていない。そのため、本研究では歯科金属を含む金属の放射化の影響を調査した。その結果、モンテカルロシミュレーションが放射性核種の同定に対して有効であることが示された。また、放射化に起因する金属近傍の線量増加は処方線量に対してわずかであることが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
陽子線治療において、体内金属の放射化の影響はほとんど明らかにされていない。本研究では、放射化した金属周囲の線量増加は処方線量に対してわずかであり、金属から距離を取ることで線量は大幅に低減することも明らかとなった。そのため本研究で得られた知見は、陽子線治療における歯科金属を含む体内金属の取扱いに関する指針の一助となることが期待される。
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