研究課題/領域番号 |
20K16791
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
菊地 一史 九州大学, 医学研究院, 助教 (20529838)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | MRI / 小児脳腫瘍 / 拡散強調画像 / Arterial Spin Labeling / Stretched DWI / CEST / Amide Proton Transfer / arterial spin labeling / amide proton transfer / heterogeneity index / マルチパラメトリック解析 / 動脈血スピンラベル画像 / 化学交換飽和移動画像 / 動脈スピンラベリング法 / 化学交換飽和移動 / stretched-DWI / IVIM / 機会学習 / テキスチャー解析 / 精密診断 / Radiogenomics / 分子イメージング |
研究開始時の研究の概要 |
脳腫瘍はまれな疾患であるが、小児固形腫瘍においては最多であり、術前画像診断は治療法の選択・決定や予後予測において極めて重要である。本研究の目的は、以下の3つである。 1. 造影剤を用いない非侵襲的なMRI画像撮像法の比較・分析 2. Radiomics手法を用いた画像特徴量の抽出・分析 3. AIを用いた診断法の最適化 (Multiparametric) による精密な診断法の確立 本研究では、非造影による非侵襲的な撮像法で得られた画像から、Radiomics法による特徴量の抽出により、形態的診断を超えて「目には見えない」遺伝子異常を画像から診断する方法の確立を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では小児脳腫瘍患者において、MRIのmultiparametric解析を用いて、術前悪性度評価に寄与する因子を明らかにした。これにより、正確な画像診断を通じて生検の回避や最適な生検部位の決定、MRIシークエンスの優先順位や選択を支援することが期待される。腫瘍内部の均一性を示すα値と腫瘍血流量を示すCBFが、良悪性の鑑別に最も有用な因子であることが判明した。特に鎮静が必要な小児患者においては、これらのパラメータを優先して撮像することが重要である。本研究の結果により、正確な脳腫瘍の診断、造影剤の使用省略による注射およびアレルギー反応の回避、鎮静に伴う副作用の回避、医療費の抑制が期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の学術的意義は、小児脳腫瘍の術前診断において、MRIのmultiparametric解析が悪性度評価に有効であることを明らかにした点にある。特に、腫瘍内部の均一性を示すα値と腫瘍血流量を示すCBFが良悪性の鑑別に寄与することを示したことは、臨床現場における診断精度の向上が期待される。これにより、生検の回避や部位の適正化が行われ、患者の負担を軽減できる可能性がある。 社会的意義は、MRIシークエンスの選択と優先順位の最適化により、鎮静や造影剤使用のリスクを低減し、医療費の抑制が期待される。また、正確な診断によって治療計画が適切に立てられ、治療効果の向上や予後の改善に繋がることが期待される。
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