研究課題/領域番号 |
20K16822
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
松本 純明 京都大学, 医学研究科, 特定助教 (80760769)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
|
キーワード | 光超音波 / 腫瘍血管 / 腫瘍低酸素領域 / 腫瘍内低酸素領域 / 分子イメージング / EPR効果 / 低酸素 |
研究開始時の研究の概要 |
これまでの光超音波イメージング研究では、血中ヘモグロビンを光吸収体として非侵襲的に人体の正常組織や腫瘍内の微細血管像が得られることを報告してきた。本研究ではマウスモデルを用いて腫瘍新生血管を描出するとともに、腫瘍に特異的な抗体を投与することで腫瘍そのものの描出を同時に行い、さらには、低酸素応答性の酵素に対する抗体を用いることで腫瘍の悪性化に関与しているとされる低酸素領域の可視化を行う。これは薬物療法前後での腫瘍血管の形状や酸素化の改善をモニタリングできる技術の開発につながり、癌治療における薬物治療の耐性メカニズムの解明、患者さんごとの治療の最適化に大きく寄与すると考えられる。
|
研究成果の概要 |
本研究では、動物用光超音波イメージング装置によってマウスの乳腺腫瘍、腫瘍血管、腫瘍内低酸素領域の可視化を行うことを目的とした。 光超音波イメージングでは、光音響物質の明瞭な描出が可能であり、光音響物質であるヘモグロビンを介して腫瘍血管が描出される。腫瘍そのものの描出のため、腫瘍特異的に結合する抗体へ別の光音響物質であるインドシアニングリーン(ICG) やIRDyeを付加したものを作成し、酸素濃度測定装置を用いて担癌マウスの腫瘍内酸素濃度を測定する実験系を構築した。動物用光超音波イメージング装置の使用が困難となり、光超音波画像の取得、酸素分圧データとの比較は次の研究への持ち越し課題となった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
動物用光超音波イメージング装置が使用可能となり、本研究で作成した腫瘍特異的な抗体に光音響物質を付加する方法と同様の手法で低酸素マーカーとなる抗体に光音響物質を付加することで、腫瘍と腫瘍血管のみならず、腫瘍内低酸素領域が光超音波イメージング装置で画像化されるようになると考える。その描出結果と腫瘍内酸素濃度の実測結果、腫瘍の免疫染色データ等を3次元的に比較することで、光超音波イメージングにより腫瘍内低酸素領域が適切に画像化されうることが示されれば、腫瘍の悪性化に関与するその他のマーカーにも応用可能となるであろう。これは、さらなる乳癌の個別最適化治療に繋がると思われる。
|